研究課題
奨励研究
同種造血幹細胞移植で併用され得る免疫抑制剤タクロリムス(TAC)とサイトメガロウイルス感染症予防薬レテルモビルとの相互作用について、CYP3A5*3(A6986G)に基づくTACクリアランスへの影響を検討した。その結果、併用開始後7~14日目において変異アレル(*1/*3および*3/*3)群では野生型(*1/*1)群に比べ有意にTACが低用量となっており、21日目までその傾向は持続した。最適なTAC投与設計への応用が期待される。
薬物動態学
同種造血幹細胞移植の成功には、サイトメガロウイルス感染症再活性化の抑制も移植片対宿主病管理も、いずれも重要となる。本研究では、実際の移植患者を対象に、タクロリムス(TAC)とレテルモビル(LMV)の相互作用への遺伝子多型の影響を検討した。CYP3A5*3(A6986G)の遺伝子多型によりLMV併用時のTACのクリアランスが影響を受ける可能性を示した本研究成果は、TACの投与設計の適正化に直結し、移植成績の向上に繋がるものと期待される。