本研究により、4β-OHCの血中濃度がボノプラザンの血中濃度を推定するバイオマーカーとして活用できる可能性を示した。一方で血中ガストリン値と血漿中ボノプラザン濃度との相関性はなく、血漿中ボノプラザン濃度はガストリン値に影響しないことが確認された。 今回、ボノプラザン及びその代謝物の血漿中濃度とCYP3A5遺伝子多型・CYP3A活性マーカーとの関連性を解析することで、ボノプラザン血中動態の個人差要因を一部明らかにした。今後さらなる個人差要因の特定を行うことで、ボノプラザンの血中濃度低下による治療失敗を防ぐとともに、遺伝子多型などを指標としたボノプラザンの個別化投与設計の確立が期待できる。
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