本研究では、デルマタン硫酸(DS)欠損を有する疾患である筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群(mcEDS)の骨病態の解明を目的に、疾患モデルマウスを用いて骨損傷モデルを作製し、骨修復過程におけるDS欠乏の影響を解析した。その結果、μCT画像による経時的な骨孔の修復過程の観察では、骨孔閉鎖期間に有意な差は認められなかった。一方、摘出骨における骨孔部分を含む皮質骨の体積の計測では、野生型マウスよりも疾患モデルマウスの体積の増加が緩やかであり、仮骨様構造の吸収の時期も遅れる傾向が認められた。以上から、DS欠乏は骨の修復を遅らせることが示唆された。
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