本研究は、血管芽腫の嚢胞形成における周皮細胞の関与を明らかにすることを目的とした。血管芽腫では、毛細血管レベルにおいてα-SMAの発現がみられ、正常毛細血管では存在しないα-SMA陽性血管壁細胞が存在していた。嚢胞型と充実型でα-SMA, PDGFRBの発現を比較したところ、前毛細血管細動脈から毛細血管においてα-SMAの発現が充実型で有意に高かった。蛍光二重免疫染色によるα-SMA陽性細胞の観察で、毛細血管において周皮細胞に特徴的なbump-on-a-logの形態を示した。血管芽腫において、細血管におけるα-SMAを発現する血管壁細胞は嚢胞形成において抑制的に関与していた。
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