研究課題
奨励研究
本研究では、等温増幅反応のLAMP法・RPA法を利用し、唾液の指標となるmRNA(HTN3)及び女性由来の指標となるnon-coding RNA(XIST)を迅速・簡便に検出する方法を開発した。HTN3の検出法は、RPA法とLAMP法を組み合わせた高感度な方法であり、0.5 μL相当の唾液が検出可能であった。XISTの検出法は、RT-LAMP法と目視検出(pH指示薬による色調変化)を組み合わせた方法であり、0.5 μL相当の女性血液が検出可能であった。
法生物学
犯罪現場に遺留される生体試料のスクリーニングは、法科学鑑定において重要な工程である。唾液特異的なmRNAや女性特異的なRNAは、スクリーニング検査の有効な指標となるが、従来法(PCR法)による検出は時間・手間がかかるという課題がある。本研究で開発した方法は、等温増幅反応(LAMP法・RPA法)に基づいており、迅速性・簡便性に優れている。そのため、スクリーニング検査、ひいては法科学鑑定の効率化に貢献できる。