研究課題/領域番号 |
23H05450
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
太田 淳 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 特定教授 (80304161)
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研究分担者 |
大澤 匡弘 帝京大学, 薬学部, 教授 (80369173)
笹川 清隆 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (50392725)
高橋 正信 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (20338312)
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研究期間 (年度) |
2023-04-12 – 2028-03-31
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キーワード | CMOSイメージセンサ / 生体埋植デバイス / 光遺伝学 / 光電子デバイス |
研究実績の概要 |
これまで分担研究者大澤と共同研究を行ってきた疼痛に伴う脳内関係領域におけるセロトニン神経の蛍光強度変化を計測し,疼痛現象との相関関係を詳細に調べる.痛みの予兆となる反応が前帯状回で発生し,前頭前皮質の制御で,痛みが緩和されることが報告されており(Nat. Biomed. Eng. 2021),これを参考に,光計測・光制御を試みた.また他の疾患として,これまで光計測を行ってきたてんかん発作についても光計測・光刺激による診断・治療が可能かどうかを検討を行った.以上の検討結果により,まず現在のカルシウムセンサーであるGCaMPに加えて受容体センサーであるGRAB系を追加することとし,AAVインジェクション,デバイスの改良(主にフィルター)を行った.(①の課題).これらは分担研究者大澤が研究協力者太田安美と共に実施し,奈良先端大では主にデバイス試作とマウスを用いた急性動物実験を実施した.また②分散配置方式については,分散型人工視覚デバイスを脳内埋植デバイスへ適用するための課題を抽出し,テストデバイスの試作を行った.長年共同研究を実施しているニデック人工視覚研究所寺澤所長が協力研究者として参画しアーキテクチャ等について議論を行い,それをもとに協力研究者春田が実施した.セラミック基板を用いた分散型のテストデバイス試作を行い良好な結果を得た.③の疾患モデル動物への適用については,分担研究者大澤が慢性疼痛モデル動物をすでに確立しているので,該当するモデル動物へのイメージングデバイスと光刺激デバイスの埋植を行った.制御ボードや解析ソフトなど様々な観点から課題を抽出し,改良を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題①「Photoceuticalデバイスに適したイメージングデバイスと光刺激デバイスの改良」については,現在のカルシウムセンサーであるGCaMPに加えて受容体センサーであるGRAB系を追加することとし,AAVインジェクション,デバイスの改良(主にフィルター)を行った.主にデバイス試作とマウスを用いた急性動物実験を実施した.課題②「生体内への分散配置方式の確立」については,分散型人工視覚デバイスを脳内埋植デバイスへ適用するための課題を抽出し,セラミック基板を用いた分散型のテストデバイス試作を行い良好な結果を得た.課題③「疾患モデル動物への適用とPhotoceuticalsに向けた実証」については,該当するモデル動物へのイメージングデバイスと光刺激デバイスの埋植を行い,制御ボードや解析ソフトなど様々な観点から課題を抽出し改良を行った.以上から,いずれの課題も当初の計画通りの結果を得ており,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
①「Photoceuticalデバイスに適したイメージングデバイスと光刺激デバイスの改良」については,前年度の検討をもとにデバイスの再設計を行い,高性能化を図る.特に,分担研究者笹川によるイメージングデバイスに空間分解能向上を実現する角度選択画素を導入した構造を試作する.②「生体内への分散配置方式の確立」については,研究協力者寺澤の協力のもと実際に分散型デバイスの試作を行い,急性疼痛モデルマウスへ適用をし,有効性を確認する(研究協力者春田と太田安美).③「疾患モデル動物への適用とPhotoceuticalsに向けた実証」については,前年度の課題を解決するための構造等を改造したデバイスの試作を行い(研究協力者春田と太田安美),動物に埋植しその有効性を確認する(研究分担者大澤).
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