研究課題
基盤研究(S)
本研究は、応募者がこれまでに発見した5種類の分泌型ペプチドホルモン-受容体ペアについて、同位体標識による定量リン酸化プロテオミクスなどの分析技術と分子遺伝学を駆使して受容体下流の細胞内情報伝達カスケードを明らかにするとともに、長距離シグナリングに関わる新たな篩管移行性ペプチドを探索し、植物におけるペプチドシグナリングの理解の深化を目指すものである。
定量リン酸化プロテオミクスを活用した分泌型ペプチドホルモン群の受容体下流シグナル経路の精緻な追跡は、ペプチドホルモンの新しい機能の発見につながる可能性を秘めている。また、篩管移行性の非分泌型ペプチドシグナルの探索は未開拓の分野であり、新たなシグナル分子の発見により、植物の長距離情報コミュニケーションに新たな概念の提示が期待できる。植物の成長調節におけるペプチドホルモンの重要性への認識はますます高まっており、本研究の学術的意義は非常に大きい。