研究課題/領域番号 |
23K00073
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
葛西 賢太 上智大学, 実践宗教学研究科, 教授 (00281014)
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研究分担者 |
繁田 真爾 東北大学, 国際文化研究科, GSICSフェロー (00862004)
谷山 洋三 東北大学, 文学研究科, 教授 (10368376)
山本 佳世子 天理大学, 人文学部, 准教授 (10625445)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | スピリチュアルケア / 臨床牧会教育 / 傾聴者 / 臨床宗教教育 / チャプレン / 資格認定 / 養成教育 |
研究実績の概要 |
6月に研究代表者と研究分担者がオンラインで打ち合わせを持ち、共同研究を開始した。本研究の一つの柱は、臨床牧会教育における傾聴者像の国際比較である。米国のチャプレン一般、米国のムスリムチャプレンについて、オランダのムスリムチャプレンと比較するかたちで進められた。研究代表者はオランダに渡航し、現地のムスリムチャプレン協会および病院・防衛省・刑務所にて活動するチャプレンに聞き取りを行い、またルーベンカトリック大学(ベルギー)のチャプレン養成教育担当教員と具体的に意見交換することができた。米国の臨床牧会教育協会によるチャプレン制度と比較して、オランダの制度の特徴を知り、逆に米国の制度を浮き彫りにすることができた。 米国臨床牧会教育協会の規定についての検討は、『現代死生学』2号に掲載され、3月に刊行された。オランダ訪問の詳細は「チャプレン研究会」にて報告し、『宗教と社会貢献』に寄稿され、刊行待ち。米国のムスリムチャプレンの現在についての研究が、『東京大学宗教学年報』に投稿され、刊行待ちである。 各自の研究成果は、本年度9月の日本宗教学会、11月のスピリチュアルケア学会等で発表された。本年度末(3/27-29)に、研究代表者および分担者四名中、葛西、谷山、繁田の三名が、米国バークレイで行われた「仏教チャプレンの基礎:日米の対話(Foundations of Buddhist Chaplaincy)」会議に参加し、現時点での研究成果等を報告した。会議で重要な研究者や実践家と面識を得たので、招聘して研究集会を開催する交渉をはじめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外からの実践者や研究者の招聘にそなえて、本年度は文献による調査などを予定していた。文献調査は進捗状況6割程度で、やや遅れている。いっぽう、オランダ訪問と米国訪問によって、多くの実践者や研究者と直接意見交換することができ、予定以上に招聘や今後の研究協力の具体的な打診をすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に複数の実践者・研究者との関係を構築できたので、今後は、意見交換や共同研究を進めることを意図している。 国際的な感染症対策は終了したが、本研究課題の研究代表者、研究分担者の多くが病院での傾聴などに関与しており、現時点でいまだ感染症予防への配慮などが足かせとなっている。また、海外での戦乱や感染症蔓延も含めた航空運賃の高騰により、国際交流の日程にじゃっかんの制約が増したと思われる。オンラインミーティングを活用した研究会の開催などで、充実を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度においては、人件費を要する代行業務や資料整理作業を開始するに至らず、資料の収集とネットワークの構築に焦点を当てることになった。研究会等を実施したが、謝金は他の研究費から拠出することになり、必要を生じなかった。令和6年度以降の研究会謝金等に充当することを考えている。
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備考 |
報告時点までに13回の研究会(海外研究者の講演含む)を行っている。
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