研究課題/領域番号 |
23K00130
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
入江 良郎 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (70280534)
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研究分担者 |
紙屋 牧子 玉川大学, 芸術学部, 非常勤講師 (20571087)
岡田 秀則 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (30300693)
大傍 正規 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (40580452)
大澤 浄 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, その他部局等, 主任研究員 (10750854)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 映画 / 映画学 / 映画史 / 初期映画 / 映像文化 / 映画遺産 / フィルムアーカイブ / 映画関連資料 |
研究実績の概要 |
本研究は、2020-2022年度において実施した研究課題「塚田嘉信コレクションを起点に初期映画史を読み直す」(基盤研究(c))の成果を活用しつつ、より発展的・継続的な研究をおこない、最終的には「ナショナル・フィルモグラフィ」の構築を目指すものである。そのために、前提となる研究課題において特に重要視していた塚田嘉信コレクションの目録化作業を引き続きおこなった。今年度は司書1名を雇用し、戦前期の映画雑誌を対象とした目録化作業を進めた。また、日本映画史の専門家である本地陽彦氏(国立映画アーカイブ客員研究員)による資料整理と読解作業を進めたうえで、映画史研究に資する文献資料を選定し復刻版出版の計画を策定した。本計画は今後、数年かけて段階的に実現させる予定である。さらに、音楽学の専門家である柴田康太郎氏(日本学術振興会PD/早稲田大学)に依頼し、琵琶台本の整理も進めた。2023年11月16日には研究会(対面・オンライン/於国立映画アーカイブ)を開催し、柴田氏が琵琶台本等に関する報告をおこなった。 研究成果の公開としては、入江良郎(研究代表者)が、論文「映画渡来史再考――吉澤系シネマトグラフの正体は何か」を執筆し、学会誌『映像学』111号(2024年2月)に掲載された。紙屋牧子(研究分担者)は、論文「明治末期から大正初期の大衆文化におけるサディスム/マゾヒズムの間テクスト的考察──『五郎正宗孝子伝』(1915年)を起点として」を執筆し、学会誌『映像学』110 号(2023年8月)に掲載された。また、入江・紙屋は、研究成果を収録する論集の編集作業を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究にとって重要な塚田嘉信コレクションの目録化作業も順調に進めつつ、研究成果の公開も一定程度実現できているため、「おおむね順調に進展している。」と判断し得る。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降は、司書による塚田嘉信コレクションの目録化作業を継続的におこないつつ、当該資料について最も豊富な知識を有している本地陽彦氏(国立映画アーカイブ客員研究員)の資料整理と読解作業も併せて進め、本地氏主導による復刻版を数年かけて段階的に刊行する。また最終年度に刊行すること目指す論集の編集作業も進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた研究計画の一部を本務のスケジュールとの兼ね合いで次年度以降に延期することとなったため。繰り越した分は、引き続きおこう目録化作業、資料購入費に充当する予定である。
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