研究課題/領域番号 |
23K00148
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
名嘉山 リサ 和光大学, 表現学部, 教授 (80455188)
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研究分担者 |
世良 利和 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 研究員 (10187867)
藤城 孝輔 岡山理科大学, 教育学部, 講師 (20887624)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 沖縄映画 / 沖縄表象 |
研究実績の概要 |
本研究は、戦前から今日までの沖縄映画データベース構築を通し、映画における沖縄表象を通史的に研究することを目指している。作中で沖縄が描かれる古今東西の映画作品のデータベース化により、このような沖縄表象の変遷の全体像を把握し、沖縄表象の政治性と沖縄の近現代史との関連性を解明することが本研究の目的である。 2023年度は、神奈川大学で開催された沖縄文化協会東京公開研究発表会に研究代表者・分担者の3人で、沖縄映画に関する発表を行った。世良は「金城哲夫と灘千造―幻の刑事ドラマ『沖縄物語』をめぐって」と題し、最近灘千造の遺族より入手した貴重な資料を手掛かりに、ウルトラマンの生みの親、金城哲夫との関係や本作撮影の経緯などを明らかにした。名嘉山は「USCAR製作『音楽』番組と間接的琉米親善」というタイトルで、米国民政府が製作した軍楽隊や学校行進バンドを扱った番組を琉米親善の観点から考察した。藤城は『レイ、初めての呼吸』で繰り返し描かれる贖罪の主題を分析し、加害者側から描かれた本作に対して、沖縄でどのような反響があったのかについて発表した。 そのほかにも、データベース作成のための基礎資料の収集や原稿執筆を行い、沖縄映画に関する研究発表や論文執筆などを行った。また、沖縄で開催された国際映画祭に参加あるいは運営に参与し、映画製作者や映画祭関係者とかかわることで、沖縄映画界の現状の多角的な観点からの検討に役立てた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
沖縄映画に関する資料収集や研究発表を行い、データベース構築のための準備を進める事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度同様、研究代表者と研究分担者で分担し、先行研究の収集・精査、ドキュメンタリー映画関連情報の収集、2008年以降の劇映画などの情報収集、関係者への聞き取りを行い、データベース構築に向けての作業を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初物品や人件費に支出する予定だったが、新たな沖縄映画祭への参加費や資料収集・研究発表のための旅費が予定より多く必要になることが分かったため、旅費を優先することになったため。
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