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2023 年度 実施状況報告書

音楽活動を通じた共創の場作り-知的障害当事者を含む参加者のアクションリサーチ

研究課題

研究課題/領域番号 23K00198
研究機関国立音楽大学

研究代表者

三宅 博子  国立音楽大学, 音楽学部, 准教授 (40599437)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードコミュニティ音楽療法 / 音楽療法 / アクションリサーチ / 障害当事者の社会参加 / コミュニティ感覚
研究実績の概要

本研究は、障害者の社会参加という課題に対し、知的障害者および家族、支援職、地域住民等の協働による音楽活動の実践および研究を通じて、多様な人々が共に生きるコミュニティ形成に音楽が寄与する方法論の一端を明らかにしようとするものである。
本年度は、アクションリサーチの手法を参考に、音楽活動の〈計画〉〈実践〉〈発表〉〈振り返り〉からなる研究の第1サイクルを「おとむすび・おんがくクラブ」の参加者十数名と共に実施した。〈計画〉では、4月に本研究の趣旨説明および「研究参加のお誘い」プレゼンテーションを行い、メンバーの意向やニーズを尋ねた。5~7月の〈実践〉前半では3回の音楽ワークショップを行った。メンバーからアイデアを募り、互いの興味関心や特性が浮かび上がるような即興表現を試行した。また、音楽作りの枠組みや関係性を柔軟にする試みとして、屋外や地域支援センターなど複数の場所で行った。〈中間振り返り〉10月に振り返りの会を設け、活動参加にまつわる思いや今後についてグループ・インタビューを行った。互いの思いを聞く機会になったと同時に「活動を外に開いてみたい」などの展望も上がってきた。それを踏まえ、10~2月の〈実践〉 後半では4回のワークショップを行った。ゲストアーティストや見学者の参加を歓迎し、引き続き様々な表現を試した。〈成果発表〉活動を外に開く活動の一環として、2024年4月7日「音楽スペースおとむすび・5周年記念フェスティバル」にてパフォーマンス発表を行う。
本年度を通して、メンバーからは活動に参加することの意味や、他のメンバーの表現に接して気づきや発見があったというコメントがある。また、各メンバーの表現の特性を察し、協力し合って音楽表現を創り上げていく場面が度々見られている。このことから、参加メンバー間に「わたしたち」というコミュニティ感覚が育まれているものと推察される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の第1サイクルをほぼ予定通り行うことができた。この過程を経て、メンバーの参加の仕方が音楽活動への参加のみならず、徐々に活動全体のあり方を考える参加へと向かう意識が見られることから、研究全体としては概ね順調と考える。

今後の研究の推進方策

2年目となる2024年度は、1年目の振り返りを踏まえて、研究の第2サイクルへと向かう。発表会の経験を通して、メンバーから「私たちが大切にしたい音楽や場や活動のあり方とはどういうものか」についての意見が見られている。その内容を吟味しながら、参加者の意見を反映したコラボレーティブな活動作りを進めたい。
また、今年度までの成果を論文として公表することを目指すとともに、様々な学会や研究会等で発表し、討論の場を作っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

活動発表に伴う会場費、楽器等の物品費、運搬費、人件費等がほとんどかからなかったことから、予定した金額を執行するには至らなかった。今年度は、研究に必要なパソコンや動画撮影機材、楽器等を購入するとともに、研究の進展に伴ってメンバーの合宿や公開ワークショップ、他の活動の見学や交流、団体ウェブページなどの費用に充てたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 私の音楽とあなたの音楽が出会う場所─ 音楽療法における〈音楽する〉こと ─2024

    • 著者名/発表者名
      三宅博子
    • 雑誌名

      国立音楽大学研究紀要

      巻: 58 ページ: 253-258

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 音楽活動を通じた共創の場作り―実践活動から参加者の協働による研究へ向けて2023

    • 著者名/発表者名
      三宅博子
    • 学会等名
      第23回日本音楽療法学会学術大会

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公開日: 2024-12-25  

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