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2023 年度 実施状況報告書

アートサイエンスの植物資料の収集・展示:ミュージアムにおける植物芸術学の展開

研究課題

研究課題/領域番号 23K00232
研究機関東京大学

研究代表者

寺田 鮎美  東京大学, 総合研究博物館, 特任准教授 (50466869)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード植物芸術学 / アートサイエンス / 植物画 / 植物模型 / 植物標本 / ミュージアム / 文化資源
研究実績の概要

本研究では、芸術と科学を融合させた「植物芸術学(Botanical ArtScience Studies)」という新たな芸術学のアプローチを展開することを目的としている。今年度は、本研究テーマに取り組む初年度として、芸術と科学を融合させた「アートサイエンス(ArtScience)」という新たな考え方として近年注目を集める概念について、文献調査を通じて整理を行った。これについては、世界のサイエンスミュージアム関係者が集まる学会(ARTEFACTS XXVIII)にて、口頭発表を行い、国際的に広く専門家からの助言や関連情報を得ることができた。また、今年度は、アートサイエンス性を特徴とした、国内外の植物資料の事例調査に着手した。海外事例では、植物模型のアートサイエンス性が既に認められた模範例として、英国キュー王立植物園の蘭のワックス模型(19世紀後半制作、2005から2010年に現代美術家の協力を得て修復)について、合計20点を熟覧し、その保存と活用の課題について、コレクションキーパーへの聞き取りを行なった。また、アートサイエンスの植物資料を、展示や将来の科学的研究・芸術創造に活用していく方法論の検討を進めるために、東京大学総合研究博物館所蔵のラン科植物の植物画および植物標本を例に、植物画や植物標本のアートサイエンス性を考察した。さらに、それらの植物画および植物標本との比較考察のために、海外事例として、台湾国立大学図書館所蔵の20世紀初頭に制作されたラン科を描いた植物画や、同大学植物標本室所蔵のラン科植物標本の調査を行なった。今後は、これらの植物画や植物標本を、本研究の成果発表として位置付けられる展示企画にどのように取り入れていくかについての検討を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の中心となる文献調査・事例調査ともに一定程度進めることができた。

今後の研究の推進方策

本研究の範囲に含めた展示企画の立案について、実現の目処が立てられたため、関係者に協力を仰ぎながら、計画を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

資料整理と専門的知識の供与の謝金を計上していたが、初年度は資料整理は自分の労力のみで賄うことができたのと、海外調査時の協力者への専門的知識の供与に対する謝金は、先方が業務の範囲内で対応するとのことで不要となった。この分については、次年度の資料整理や海外調査等にて、適切に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 東京大学由来の科学技術史資料:大学博物館における展示の意義と課題2023

    • 著者名/発表者名
      寺田鮎美
    • 学会等名
      日本科学史学会第70回年会 シンポジウム「博物館における科学技術史資料の展示をめぐって」
  • [学会発表] Exploring Methods for Re-evaluating ArtScience Collections: Experiences with Botanical Art Exhibition at the University Museum2023

    • 著者名/発表者名
      Ayumi TERADA
    • 学会等名
      ARTEFACTS XXVIII
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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