研究実績の概要 |
コンピュータを用いた電子音響音楽の創作を, 参加型プロジェクトアートとして位置づける社会実践を通じ, より多様な人々と共有することが本研究課題の目的である。2023年度は, 2019年より確立に努めた実践理論を国際的な視点から発展させるために求められる視座の獲得に努めた. 並行して実施した国内での社会実践では, Goethe-Institut TokyoおよびBankART1929との連携を軸に, カールスルーエメディアアートセンター, ストックホルム王立科学技術大学, フランスの電子音響音楽祭であるFestival Futura との連携を確立し, 2024年度の研究実践の国際展開のための基盤を確立した. 学術面においては, 本研究課題で扱う電子音響音楽が, 多くの聴き手を獲得しているポピュラー音楽よりも構造的に高い複雑性を持っていることを明示するため, 双方の経時的構造を分析する手法を, Game and Entertainment Technology 2024 において提案するための国際会議論文の投稿を行った. また, 参加型プロジェクトアートを象徴するサウンド・インスタレーションの動源をインタラクティブなシステムとして完成させるための基礎技術についても, そのプロトタイプを完成させ, インターカレッジソニックアーツフェスティバル(愛知県立芸術大学)およびTAKARABUNE2024(埼玉県立近代美術館)において展示した.
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