| 研究課題/領域番号 |
23K00246
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| 研究機関 | 名古屋芸術大学 |
研究代表者 |
梶田 美香 名古屋芸術大学, 芸術学部, 教授 (70620467)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| キーワード | アウトリーチ / 公立文化施設職員 / アーティストの思考 / アーティストのライフスタイル / コミュニケーション / コーディネーター / 資質 |
| 研究実績の概要 |
公立文化施設を対象に令和5年度に実施した定量調査でアーティストへのアンケートに協力意向を示した公立文化施設の協力を得て、音楽アウトリーチを実施しているアーティストを対象にアウトリーチ実施状況を問う定量調査を行った。その結果、73人の回答者を得た。 回答者の年齢は20代から40代が90%以上を占め、中でも半数以上を30代が占めた。専門教育を芸術系大学で受けた回答者が最も多く、その多くが、大学卒業後すぐ演奏活動を開始し、同時期にアウトリーチ活動も開始していることがわかった。アウトリーチの実施頻度は年間10回以下が72.1%と最も多く、アウトリーチ活動の目的に社会還元が挙げられる一方で、アーティストとしてのスキルアップも挙げられた。 また、公立文化施設との関わりをアウトリーチ活動のきっかけとする回答者が、全体の38.7%を占め、最も多いという結果が反映されるように、企画立案や当日運営を、文化施設職員とアーティストが共同で実施するケースが多いことが分かった。 しかし、文化施設職員との交流においては、打ち合わせ等のための時間拘束への遠慮が強く、打ち合わせの申し出に躊躇することもわかった。一方で、アーティストの思考に対する文化施設職員側の理解が不十分だと感じているアーティストも多く、両者のコミュニケーションの不十分さが推測されるに至った。さらに、文化施設職員とアーティストと繋ぐコーディネーターの必要性が感じられていることもわかった。 この結果を踏まえると、音楽アウトリーチコーディネーターにはアーティストに対する理解が求められることが推測されるため、求められる資質に「アーティスト理解」の優先度を検討すると同時に、アーティスト特有の思考やライフスタイルに関する調査の必要性も明らかとなった。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
令和5年度に公立文化施設の音楽アウトリーチ実態調査を行い、令和6年度は音楽アウトリーチ活動を行なっているアーティストの実態調査を行った。公立文化施設職員とアーティストを繋ぐコーディネーターの存在に着目している本研究においては、2ヵ年の調査によって得られた結果から、特に次の3点に注目すべきだと考えている。 ①演奏力等の専門分野以外に、アーティストに求められる力(コミュニケーション力、ファシリテーション力、コーディネート力)について、両者の考えが一致していること ②両者のコミュニケーションの障壁は互いの「時間」にあること ③アーティスト側は、文化施設職員のアーティスト理解が不十分だと感じていること
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| 今後の研究の推進方策 |
2ヵ年の調査で明らかになった3点のうち、②は物理的課題、③は質的課題と捉えると、②③についてはアーティストへのさらなる質的調査と、文化施設職員とアーティストの意見交換が必要だと考えるに至った。具体的には、アーティストの思考に関するデータを収集するためのヒアリング、障壁となっている「時間」を解決するための両者のライフスタイルに関する調査である。加えて、両者の意見交換によるコミュニケーションの実態調査である。 よって、最終年度は、これらの調査を実施し、その上でコーディネーターの要件について検討する計画で研究を推進していきたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
3ヵ年計画のうち、最終年度の1ヵ年を残しているため、次年度使用金額が生じた。使用計画は次のとおりである。 ①アーティストへのヒアリング調査(交通費・謝金等) ②文化施設職員とアーティストのライフスタイルに関する調査(アンケートサイトの年会費、集積データ整理のための人件費等) ③アーティストと文化施設職員の意見交換のためのシンポジウム開催(交通費、謝金、会場賃借料、広報費等)
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