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2023 年度 実施状況報告書

ギリシャ数学文献における基本術語と語法の分析

研究課題

研究課題/領域番号 23K00267
研究機関四日市大学

研究代表者

斎藤 憲  四日市大学, 関孝和数学研究所, 研究員 (10221988)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワードエウクレイデス / 原論
研究実績の概要

本研究課題採択以前に実施していた,ギリシャ数学文献の言語学的分析の結果から出発し,以前に検討したことのないエウクレイデス『原論』第10巻を予備的な検討の対象とした.この巻はきわめて似通った二つの大きな部分から成り,それぞれの部分が,わずかに条件の異なる6個の命題群の積み重ねから成るという,数学的にはほぼ完全な対称性を持つ構成をしている.しかし,接続詞などの出現頻度が,対称性を持つ二つの部分で大きく異なることから,単に出現単語の頻度だけでなく,語法や構文の分析により,さらに二つの部分の成立過程に踏み込んだ分析が可能となる可能性があることが判明した.
また,分析結果を保存すると同時に,特定の条件(出現単語,単語の現れる文脈,利用される構文など)を指定して,膨大な分析結果からの検索が可能でなければ,現実的に研究の遂行は困難であることも確認された.
以上で,次年度に設計・作成する構文解析と結果検索のプログラムのための基本的な前提を固めることができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は予備的な分析にとどまり,構文解析作業や,解析結果からの検索プログラムの設計にとりかかることができなかった点で,当初の予定よりはやや遅れていると判断せざるを得ない.

今後の研究の推進方策

『原論』第10巻の構文解析を進め,同時に,比較的語彙の限られた『原論』について,出現単語すべてのリストを作り,本研究の目的の一つであった,ギリシャ数学における基本単語集の作成にとりかかる.
構文解析の結果を,種々の条件で検索するプログラムは必須であるが,その設計にとりかかる.学会発表などの結果,本研究に関心を示す海外研究者も現れたので,研究の一部を分担して進める可能性が生じたので,遅れを取り戻し,場合によっては当初の計画を超える研究成果をあげられるよう努力したい.

次年度使用額が生じた理由

予定していたプログラム作成に至らなかったため.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] It all began with the pentagon: polyhedra and irrational lines in Euclid’s Elements.2024

    • 著者名/発表者名
      Ken Saito
    • 学会等名
      Joint Mathematics Meetings: AMS Special Session on History of Mathematics
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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