研究課題/領域番号 |
23K00313
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
多田 蔵人 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (70757608)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 永井荷風 / 島尾敏雄 / 泉鏡花 / 樋口一葉 / 国木田独歩 / 文体 / 江戸文学 / 近代文学 |
研究実績の概要 |
本年度は文体史の中核的資料の収集につとめるとともに数次の口頭報告(講演含む)を行い、また昨年度の分析成果を発表することで、明治期から戦後までの作家たちの文体について、古典文化との交流を視野にいれつつ歴史的な位置づけを行った。調査先は関東近郊の諸機関のほか、天理大学附属天理図書館(奈良県)・鹿児島県立奄美図書館・徳田秋声記念館(石川県)など各地に及んだ。 国木田独歩に関しては論文を発表し、明治30年代における文体の多様性についての見取り図を描き、独歩がどのように言葉の歴史に向きあったかを分析した。講演と口頭報告について、矢野龍渓『経国美談』と演説文化の関連、樋口一葉については一葉小説における「共作」のありかた、永井荷風と明治期最大の出版社・博文館の関わり、泉鏡花と尾崎紅葉率いる硯友社の文体との関わり、島尾敏雄と太宰治の文体との関わりについて、講演・口頭報告を行っている。1年目の成果としては十分だったと考えている。泉鏡花に関しては岩波文庫『高野聖・眉かくしの霊』の解説で本研究課題の内容を含めて執筆し、樋口一葉についてはNHK教育テレビの番組監修にも携わり、わかりやすいアウトリーチにつとめた。 さらに鹿児島市立かごしま近代文学館・メルヘン館所蔵の島尾敏雄資料・梅崎春生資料のデジタル画像公開のための自筆資料撮影を行った。島尾・梅崎資料は2024年度中に国文学研究資料館「国書データベース」にて公開予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画では一年目は資料収集を中心として進行する予定であったが、研究課題に関連する論考や口頭発表の依頼を複数いただき、かつご依頼いただいた機関の文庫調査がかなったこともあり、調査と成果発表を車の両輪として研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き資料収集につとめるとともに、論文・口頭発表、そして単著による成果公開をめざす。具体的には、永井荷風、泉鏡花、戦後文学について、それぞれ文体史に関する論考を発表する予定である。
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