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2023 年度 実施状況報告書

英米モダニズム期文学における環太平洋ハンセン病表象の思想史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K00358
研究機関熊本大学

研究代表者

新井 英永  熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (00212598)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワードジャック・ロンドン / ハワイ・モロカイ島 / ハンセン病 / メニッポス的諷刺 / ミハエル・バフチン / ノースロップ・フライ / D・H・ロレンス / 精神分析
研究実績の概要

ジャック・ロンドンのハワイを舞台とする「ハンセン病三部作」のうちの1編である短編小説「さよなら、ジャック」(1909) に関する論文の加筆修正を行なった。この論文は「メニッポス的諷刺としてのジャック・ロンドン「さよなら、ジャック」」であり、アメリカ帝国主義とハンセン病問題の文脈に文学ジャンルの観点を加え、ロンドンのこの短編について考察したものである。具体的には、ミハエル・バフチンやノースロップ・フライ等のジャンル論を援用し、「さよなら、ジャック」が「メニッポス的諷刺」のジャンルに属することを論じ、この短編においてその諷刺がどのようになされているかを明らかにした。本論文は、掲載を目指す論文集の編集委員会による査読をすでに経ており、論文集は早ければ令和6(2024)年度中、遅くとも令和7(2025)年度中に刊行される予定である。
また、ジャック・ロンドン「ハンセン病三部作」のうちのもう1編「コナの保安官」(1909)についての本格的な調査を開始した。
一方、これまで研究蓄積のあるD・H・ロレンスを比較のための座標軸として設定し続けることが必要であると判断し、D. H. Lawrence Review (USA) の依頼を受け、John Turner, D. H. Lawrence and Psychoanalysis (Routledge, 2020) の書評を執筆し完成させた。この書評は、編集上や表現上の修正を経て、本年度のD. H. Lawrence Review (Volume 45 Numbers 1-2) に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ジャック・ロンドン「ハンセン病三部作」のうちの1編「コナの保安官」(1909)に関する論文の執筆を開始したかったところであるが、まだそのための調査が十分でないのが現状である。「さよなら、ジャック」に関する論文やD・H・ロレンスに関する書評の修正や校正を優先したという事情もある。

今後の研究の推進方策

まずは、本年度6月開催予定の日本ロレンス協会大会におけるシンポジウム「日本における初期のロレンス受容をめぐって」での報告に向けた準備を行ない、大会後その内容を必要に応じて論文等にまとめる。その後、ジャック・ロンドン「コナの保安官」(1909)に関する調査を再開し、論文の執筆に着手したい。

次年度使用額が生じた理由

国内だけでなく国外でも資料収集・調査を行なう予定であったが、実施できなかった。そのため旅費残額が大きくなり次年度使用額が生じた。その分は、翌年度うまく日程等を調整し使用したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 書評:John Turner, D. H. Lawrence and Psychoanalysis (Routledge, 2020)2023

    • 著者名/発表者名
      新井英永
    • 雑誌名

      D. H. Lawrence Review

      巻: 45 ページ: 192-195

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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