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2023 年度 実施状況報告書

女性達の環太平洋ネットワーク:20世紀前半日英米文学交流のデジタル分析

研究課題

研究課題/領域番号 23K00400
研究機関奈良女子大学

研究代表者

雲島 知恵  奈良女子大学, STEAM・融合教育開発機構, 専任講師 (50737434)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードデジタル・ヒューマニティーズ / ネットワーク分析 / 文化外交 / 第二次世界大戦 / 女性ジャーナリスト / プロパガンダ
研究実績の概要

本研究は、従来注目されて来なかった20世紀前半の女性達による環太平洋地域の文化外交活動のネットワークを、デジタル技術を用いたデータ分析と情報の視覚化を通して明らかにするものである。国際的女性の繋がりを具体的に描き出し、その拡がりを示すと共に、女性達の文化外交活動の多様性も視覚化する。デジタル技術を応用し、質的研究と量的研究を融合させた英文学・旅行記研究の新たな研究方法及び成果発信方法の開拓・提案を目指す。
研究1年目の本年度は、データ収集を中心に行なった。また、データ整理・視覚化の方法を検討し、作業を開始した。データ収集については、先の課題で収集していたTokyo Penwomen、Zoe Kincaid、Annie Shepley Omori等の関連新聞記事を機械が読める形で整理し直し、実験的に幾つかの視覚化を行なった。その結果、KincaidのThe Japan Times紙上でのジャーナリズム活動が、大日本帝国の満州侵略と密接に関係していること、またその活動内容が舞台芸術・映画等の芸術媒体を利用したものであることが視覚的にも明らかになった。この分析結果は、日本の帝国主義的領地拡大にプロパガンダ活動を通して協力していた外国人女性の存在とその方法を示す上で興味深い発見であると言える。
さらに、Tokyo Penwomenと比較しデータ量が膨大なTokyo Women’s Clubのデータ収集も開始した。まだデータ収集作業が終了していないが、デジタル技術を用いるからこそ可能となる分析結果に期待している。
この研究内容については、研究会や公開講義、公開ワークショップ、国際学会で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新聞記事のテキスト分析にOCRを利用したいのだが、上手くいかないことから作業が遅れている。

今後の研究の推進方策

収集している書簡の宛名等のリストを作成し、ネットワーク分析を開始する。デジタル・ヒューマニティーズ研究者達の勉強会に現在参加させてもらっており、テキスト分析のツール等について勉強も進めているため、今後はここで学んだ成果を積極的に利用し研究の遅れを取り戻したい。

次年度使用額が生じた理由

日米の学年暦の違いから、研究内容を発表した国際学会の発表者申請は2023年12月であったが学会の開催は2024年5月であり、学会参加のための費用として残したため次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Orientalism Disrupted: Transnational Network of Women Writers in Japan in the 1920s and the English Translations of Japanese Classics2024

    • 著者名/発表者名
      Tomoe Kumojima
    • 学会等名
      FiMA (Feminist inter/Modernist Association) 3: Feminist Provocations
    • 国際学会
  • [学会発表] 静坐社資料に見る戦間期女性文筆家の国際ネットワークと日本文学の英語翻訳:小林信子訳The Sketch Book of the Lady Sei Shonagonを糸口に2023

    • 著者名/発表者名
      雲島 知恵
    • 学会等名
      南山宗教文化研究所所蔵 静坐社史料から見える国際ネットワークとジェンダー:英文学と宗教学の交錯するところ(公開ワークショップ)
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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