研究課題/領域番号 |
23K00427
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
塚崎 今日子 北海道科学大学, 未来デザイン学部, 准教授 (20347727)
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研究分担者 |
熊野谷 葉子 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (70581784)
中堀 正洋 創価大学, 文学部, 准教授 (70460087)
山田 徹也 立教大学, 外国語教育研究センター, 特任准教授 (00750340)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 北ロシア / フォークロア / マルチメディア資料 |
研究実績の概要 |
研究活動としては、①具体的な担当テーマの決定。②テーマに沿った資料整理、文字起こし作業。③Webサイト「ВТАЯРФЭЭ」に資料を順次追加。④Webサイトの更新が挙げられる。 研究実績としては、熊野谷はカザフスタンのトライグィロフ大学紀要に論文「多様性ある研究チームによるフォークロア研究の可能性(原文英語Prospects for Folklore Studies by Diverse Research Teams: Ecpeditions, Archives, Publications, and Analysis)」を発表した。塚崎は、中央大学人文研オンライン研究会において「冬の来訪神シュリーギン(シュリクン):類似するブィリーチカの筋構造をめぐって」という題目で、また、東北アジア文化学会2023年度春季聯合国際学術大会において「異界的存在とその語り─ロシアのシュリクンとルサールカ─」という題目で口頭発表を行った。中堀は「ロシア・アルハンゲリスク州上トイマ地区調査旅行記(下-3)」を『なろうど』に発表、また、上記中央大学研究会において「ロシア版ATU1137説話に現れる一つ眼の巨人」という題目で口頭発表を行うとともに、論文「ロシアフォークロアにおける不幸の形象リーホ ―ATU1137説話の分析を通して」を『幻想的存在の東西 古代から現代まで』に上梓した。 また2024年3月には、熊野谷がモスクワへの研究旅行を実施し、本研究成果についてロシア科学アカデミー世界文学研究所において講演したほか、本研究のロシア人研究協力者達と懇談した。その際、先の科研成果の一つである論文集『北ロシアの暮らしとフォークロア』を研究協力者およびロシアの学術機関(大学、アカデミー研究所、博物館等)に配布し、本国の研究者と情報を共有するとともに、高い評価を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
デジタル資料の整理、サイトへの資料アップと並行しての、新たなロシア語資料の文字起こし・和訳に予想外の時間がかかってしまっている。それは、古い資料の音声が不明瞭であること、また、北ロシア方言や民俗語彙が多用されていることが主な原因である。ロシア人協力者に文字起こしのサポートを依頼しているが、デジタル資料の共有の不具合といった問題が発生し、今後改善を検討しなければならない。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の計画としては、2023年度の作業を継続、すなわち、メンバー各自でテーマに沿って資料整理、文字起こし、和訳を進めるとともに、研究成果の発表(口頭発表・論文)に努めることが挙げられる。また、国際情勢にもよるが、当初の計画としては、アルハンゲリスク州上トイマ地区で現地調査を実施し、資料の不足部分を補い、インフォーマントまたは家族の資料公開許可の確認を取り、現地協力者と協議を行う予定である。研究成果の発信については、国内に留まらず、国外に向けても積極的に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
プリンタ用紙、インク代を計上していたが、デジタル化が進んだことにより、資料整理や会議や諸連絡において紙媒体を使用する機会が大幅に減った。また、会議や研究発表がオンライン上で実施されたため、旅行費がかからなかった。 未使用額については、今後のマルチメディア資料のサイト構築、および上トイマ地区への現地調査の経費等に充当する。
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