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2023 年度 実施状況報告書

仮名資料の表記の実態と故実書との相関性の分析に基づく表記意識の通時的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K00565
研究機関ノートルダム清心女子大学

研究代表者

家入 博徳  ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (20586507)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード仮名自筆資料
研究実績の概要

本研究は、平安期から室町期における仮名資料の表記の実態と、同時代の故実書の表記に関する記述との相関性の分析・考察を行い、各時代における表記意識を解明するとともに、それらを通時的に考察することにより、表記意識の歴史的変遷の解明を目的とするものである。
本研究の目的のもと、今年度は平安期の故実書と仮名資料、中でも仮名自筆資料の収集を中心に行った。
収集した資料の中でも、藤原基俊筆である多賀切和漢朗詠集と、同筆とされる山名切新撰朗詠集の仮名で書写されている箇所についての表記の実態を解明する考察は、これまでなされてこなかったように思われる。したがって、藤原基俊筆の上記二作品についての表記の実態について、個別に考察を行った。
考察を通して、藤原基俊筆の二作品は、平安期の他の仮名資料と異なる点が見られた。文字使用について漢字の使用に着目すると、平安期の仮名資料の多くは漢字の使用が少ない傾向が見られるが、基俊の作品には漢字が多用されている。和漢朗詠集、新撰朗詠集といった本文の性格上からの書写とも考えられるが、平安期の他の和漢朗詠集の仮名書写の箇所は、多賀切和漢朗詠集ほど漢字を多用していない。また、表記について行書きに着目すると、平安期の和漢朗詠集の仮名書写の箇所は、通常二行書で書写されているが、多賀切和漢朗詠集は二行書と一行書とで書写されているといった異同が見られた。今後、藤原基俊の表記の実態について考察をまとめた上で発表するとともに、平安期の故実書と仮名資料との相関性についての考察をまとめ、発表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

調査及び新たに追加して収集した資料の翻刻等に時間を要しているため、計画よりやや遅れている状況である。

今後の研究の推進方策

今年度追加して収集した資料の翻刻等を早急に行うとともに、引き続き、資料の収集及びデータ分析を行い、時代における故実書と表記との相関性について明らかにしていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

調査及び資料の分析が計画通りに遂行することができなかったため、次年度使用が生じた。
次年度は計画通りに調査及びデータの分析を行うとともに、今年度遂行できなかった調査、分析を行っていく。

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公開日: 2024-12-25  

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