研究実績の概要 |
①地域共通語としての奄美語に関する研究:本研究課題の主要テーマである鹿児島県奄美群島地域における「地域共通語」に関する研究を進め、以下の2本の学術論文を公表することができた。 ・「奄美群島方言における義務的モダリティ形式マイについて」(単著, 『西日本国語国文学』10, 90-103) ・「鹿児島県奄美群島における地域共通語に関する研究」(共著, 鹿児島国際大学附置地域総合研究所編『地域探究の視角』,ラグーナ出版, 2024年) また、「義務的モダリティのマイ」に関する方言調査を2024年3月に沖永良部島で実施し、20名ほどのインフォーマントを対象とした対面方言調査を実施することができた。あわせて紙媒体による同内容のWebアンケートを並行実施し、80名程度のインフォーマントより回答を得ることができた。 ②研究成果の大学教育・社会活動への寄与:上記①の研究で得られた成果は、鹿児島の文化・方言をモチーフとした謎解きイベントを申請者のゼミナール主体で実施することで所属大学での学生教育や地域貢献に役立てている。今年度はかごしま水族館いおワールドでの館内周遊型謎解きイベント(2023年9月16日,9月23日)を開催し、地域自治体と連携しながら研究成果の社会還元をおこなった。上述の沖永良部での方言調査実施後には、島民の方々を対象とした謎解きイベント(2024年3月17日,エラブココ内レクチャールーム(大島郡知名町)および和泊町役場内結いホール(大島郡和泊町)にて)を開催し、30名ほどの参加があり、地域への貢献が叶った。 ③関連諸学会・研究会への参加、および役職業務:関連諸学会・研究会へ今年度も積極的に参加し、日本語文法史および方言文法研究に関する最新の知見を学んだ。また、所属学会役職業務として西日本国語国文学会大会委員および九州大学国語国文学会常任委員を務めた。
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