研究実績の概要 |
本研究は、フェーズ主要部に存在する数素性(number feature)と人称素性(person feature)に焦点を当て、両素性の統語上、および、インターフェース上の役割を解明することにある。本研究のために行われた事前の予備研究では、研究上の有力な指針が得られており、その指針とは、(i) 数素性が格付与に関与すること、(ii) 人称素性が名詞句の透明性の決定に関与すること、(iii) 人称素性が節の定形性の決定に関与することである。これら3点の妥当性を検証するため、本研究は、生成文法の最先端の研究であるラベル理論に基づき研究を進めている。 当該年度は研究の初年度にあたり、データの収集、および、学会発表を中心に進めている。具体的な研究成果として、まず論文は、“Labeling by Agree,”(2024年2月 JELS 41)が挙げられる。また、学会発表としては、 「付加詞節内部からの抜き出しとCPフェーズ」(2023年6月 日本言語学会第166回大会)また、「一致によるラベル付け」(2023年11月 日本英語学会第41回大会)が挙げられる。 また、これらの研究以外に、本研究と関わる発表として、“The Overt Focus Movement to vP Periphery in English”(2023年5月(Satoru KANNO, Tomonori OTSUKA, Ryoichi KONDO, Yuta TANAKA) The 16th ELSJ International Spring Forum)、「言語現象に対する生成文法からのアプローチ」(2023年10月 新潟大学人文学部英語学講演会)、「一致と最小探査」(2024年2月 北海道理論言語学研究会第16回大会)が挙げられる。
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