研究実績の概要 |
本研究の目的は、外国語授業における教員間での偏りを防ぐべく「授業プログラム設計補助システム」を構築し、CEFR-J指標に準拠した外国語授業展開のための CEFR-J can-do descriptorに準ずる授業法・指導法検索ツールを開発することである。
コーパスから情報を検索するツール構築にあたり、第一のプロセスとして初年度では授業コーパスのデータ収集と並行し、既存ツールの汎用性を高めるため、現在までに構築した授業コーパスタグ付けツールCCT: Classroom Corpus Vocabulary Analyzer with CEFR-J Wordlist (Ohashi, Katagiri, & Oshikiri, 2022)、および語彙分析ツールVACSR :Vocabulary Analyzer for Self-Reflection) (Ohashi, Katagiri, & Oshikiri, 2022)の機能をさらに追加し、新たなVACSR version 2として公開した。VACSR2 URLを含め、研究結果を記載した論文を公開した。Ohashi, Y., Katagiri, N., & Oshikiri, T. (2023). Asia Pacific Journal of Corpus Research 4(2), 75-87. DOI: https://doi.org/10.22925/apjcr.2023.4.2.75
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今後の研究の推進方策 |
VACSR version 2が完成したことにより、研究課題として挙げているCEFR-J指標との照合に於いて、語彙的な側面から考察が可能となる。Ohashi, Y., Katagiri, N., & Oshikiri, T. (2023)における VACSR version 2を使用した研究により、授業内でのほとんどの語彙がCEFR-J wordlist level A1であり、A1においても使用が見られない語彙が多数存在することが明らかとなった。今後VACSR version 2により授業コーパスでの使用語彙を定量化することにより、授業内で使用する語彙レベルに関しての提言が可能となる。令和6年度以降はVACSR version2と組み合わせ、語彙だけでなくインタラクションに於いてcan-do descriptorに記載の能力に導くインタラクション検索を可能とするツールを開発すべく、研究を進める予定である。
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