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2023 年度 実施状況報告書

LOGICシステムを活用した文法の気づきを高める英語教育モデル

研究課題

研究課題/領域番号 23K00785
研究機関大阪成蹊大学

研究代表者

高橋 雅幸  大阪成蹊大学, 教育学部, 准教授 (30780241)

研究分担者 岡本 清美  大阪大学, マルチリンガル教育センター, 講師 (20533631)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードLOGICシステム / 気づき / 英語教育モデル / 学習指導要領 / 「文,文構造及び文法事項」 / 文法項目一覧表 / 全国学力・学習状況調査 / 検定教科書
研究実績の概要

研究実績として、2件の口頭発表と1件の学術論文の公刊があり、次にその説明をする。
口頭発表の1件目は、2023年8月に第48回全国英語教育学会香川研究大会(香川大学)において高橋昌由と岡本清美は「中学校検定教科書及び全国学力・学習状況調査の読むことにおける「文法項目」出現数」と題する研究発表で、中学校の英語指導で扱う文法項目について、ある中学校検定教科書の4つのLet’s Read及び平成30年と平成31年に実施された全国学力・学習状況調査の「読むこと」を対象としたテキストで扱われている文法項目の出現数を、「文法項目一覧表」(高橋・岡本、2022)に基づいて特定して、4点を明らかした。
口頭発表の2件目は、2024年1月にはIAFOR International Conference on Education in Hawaii (IICE2024)において高橋昌由と岡本清美は"Reevaluating the CoS Guide: The Need for Supplementary Resources in Teaching Prepositions in Japan"と題する研究発表で、CoS Guide (学習指導要領)の前置詞セクションに何を含めるべきかを明らかにするために、文部科学省の全国学力テスト(2018年、2019年)の言語使用状況を分析する「文法項目リスト」を実施し、その結果、テストに出題された内容とCoSガイドに記載された内容との間に大きな乖離があることを提示した。
学術論文の公刊は、2024年2月に公刊された「大阪成蹊教職研究第4号」において、高橋昌由と岡本清美は著者として「学習指導要領に基づく『文法項目一覧表』の開発」と題する研究論文で、中学校の授業で利活用されるべき具体的な「文法」を特定して、提示することを目的した。この論文において、中学校学習指導要領とそれに含まれる「文,文構造及び文法事項」を軸に、大きな枠組みとしての22の文法区分と、その下位項目としての477の文法項目で成る文法項目一覧表を開発したことを報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「LOGICシステムを活用した文法の気づきを高める英語教育モデル」では、中学生の英語学習において、英語表現の類例を提示するLOGIC(List Of Grammar Items and Corpus)システムを中学校の先生方に活用していただく教育モデルを構築して、英語教育に寄与することを目的としている。
この研究の完結への工程は、①LOGICシステム完成、②それを中学校の先生方に活用していただく教育モデルを構築、③英語教育に寄与する方策を確立、④その寄与の確認、である。
現在はこの完結への工程では、LOGICシステム完成にあり、学術論文「学習指導要領に基づく『文法項目一覧表』の開発」で、中学校学習指導要領とそれに含まれる「文,文構造及び文法事項」を軸に、大きな枠組みとしての22の文法区分と、その下位項目としての477の文法項目で成る文法項目一覧表を開発して、その後の研究の基礎を確立した。これによりLOGICシステムの中核となる文法項目一覧表が確立したことも意味するが、完成には至っていない。
LOGICシステム完成のためには、文法項目一覧表が確立し、この文法項目一覧表に基づいて、その機能を確認する必要がある。現在はこの機能確認の段階にある。この機能確認のために、例えば「中学校検定教科書及び全国学力・学習状況調査の読むことにおける「文法項目」出現数」では、中学校検定教科書及びそれまで2回の全国学力・学習状況調査(2018年、2019年)から「読むこと」を対象としたテキストにおいて出現数を精査した。また、「CoSガイドの再評価:日本における前置詞教育における補助教材の必要性」で、CoSガイドの前置詞セクションに何を含めるべきかを明らかにするために、文部科学省の2回の全国学力・学習状況調査(2018年、2019年)を分析した結果、テストに出題された内容とCoSガイドに記載された内容との間に大きな乖離があることを提示した。このように文法項目一覧表の機能を確認している段階にある。

今後の研究の推進方策

本研究の完結への工程は、①LOGICシステム完成、②それを中学校の先生方に活用していただく教育モデルを構築、③英語教育に寄与する方策を確立、④その寄与の確認、である。
現在はこの完結への工程ではLOGICシステム完成に向けての機能を確認する段階にある。なお、この機能を確認することと並行して、学習指導要領にある「(3)言語活動及び言語の働きに関する事項、②言語の働きに関する事項」の例文を精査して、文法項目一覧表の拡充によるその完成をすることが必要である。この次の段階としては、完成した文法項目一覧表を中学校の先生方に活用していただく教育モデルを構築することとなる。そのモデルにより英語教育に寄与する方策を確立し、それが寄与していることを確認をすることが必要である。

次年度使用額が生じた理由

物品購入計画に変更が生じたため。次年度は統計処理アプリケーション等を購入する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 学習指導要領に基づく「文法項目一覧表」の開発2024

    • 著者名/発表者名
      高橋昌由、岡本清美
    • 雑誌名

      大阪成蹊教職研究

      巻: 4 ページ: 50-61

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Reevaluating the CoS Guide: The Need for Supplementary Resources in Teaching Prepositions in Japan2024

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Masayuki & Okamoto, Kiyomi
    • 学会等名
      The IAFOR International Conference on Education in Hawaii (IICE2024)
  • [学会発表] 中学校検定教科書及び全国学力・学習状況調査の読むことにおける「文法項目」出現数2023

    • 著者名/発表者名
      高橋昌由、岡本清美
    • 学会等名
      第48回全国英語教育学会香川研究大会(香川大学)

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公開日: 2024-12-25  

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