今年度は、基礎的史料の整理および目録化の作業を行った。対象とした史料は、研究代表者が非常勤スタッフとして在籍する大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)所蔵の、日本労働組合総評議会(総評)大阪地方評議会関係資料、大阪全労協史料、和田喜太郎旧蔵史料、前田裕唔旧蔵史料である。資料整理のため、大学院生のアルバイトを雇用し、スピードアップをはかっている。
このうち大阪全労協で長く議長を務めた故・前田裕唔は、大阪の新左翼労働運動の中核として、旧日本社会党・旧民社党系の日本労働組合総連合会(連合)とも、日本共産党系の全国労働組合総連合(全労連)とも距離をとって、第三極として大阪の労働運動に影響力を誇った。その前田の旧蔵史料からは、前田と構造改革系の諸人脈のつながりがみえてきた。
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