研究課題/領域番号 |
23K00795
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
左近 幸村 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (30609011)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 日露関係史 / 冷戦 / グローバルヒストリー / 地域史 |
研究実績の概要 |
6月24日から27日にかけて韓国、大邱市の慶北大学校で開かれたAssociation for Asian Studiesの大会において、名古屋大学のイゴリ・サヴェリエフ氏が組織したパネル "Making Space for Identity Under Settler Colonialism in Northeast Asia"に参加し、"Russian Peasant Settlers and Asian Laborers in the Russian Far East Prior to the October Revolution"と題する報告を行った。パネル全体では19世紀後半から20世紀前半にかけてのロシアと東アジアの関係について、フロアも踏まえて活発な意見交換を行うことができた。加えて、他の複数のパネルにも出席し、ジェンダー、ボーダー、植民地主義を議論するアジア研究の最新状況について知見を深めた。 9月13日から14日にかけては、東北大学の経済史研究者と九州大学の経済史研究者によって東北大学で開かれた合同ワークショップにおいて、シベリア鉄道に関する研究報告を行い、経済史の観点からアドバイスを得ることができた。 それ以外に、7月1日に東京大学駒場キャンパスで開かれた東アジア近代史学会のシンポジウム「東アジア近代史における『ロシア』という存在」に討論者として出席し、5人の報告に対しコメントした。シンポを通して、ロシアと東アジアの関係史について、多くの知見を得ることができた。 3月13日から15日にかけては、新潟県議会図書室と新潟県立図書館で資料調査を行い、本研究の主たる対象である北村一男新潟県知事の議会での答弁記録や、周囲の人物の回想をコピーすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国際学会での報告をコロナ禍以降初めて行うことができ、新潟市での現地調査も行うことができるなどの成果があった。しかし学会報告は、以前の研究課題との橋渡し的性格が強く、東アジア近代史学会でのコメントを除くと活字化できているものがないこともあり、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
東京外国語大学の巽由樹子氏を中心に定期的に開催している日露関係史の研究会「昭和のロシア」で本研究の構想を報告することを検討している。そこに海外在住の研究者を呼び、意見交換をすることも視野に入れている。最終的に研究会のメンバーで論文集を作り、本研究のエッセンスを盛り込むことを計画している。 資料収集は、新潟での調査に加え、北海道大学の図書館でも行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ロシアでの現地調査は引き続き困難である。そこで繰り越した分を使って海外から研究者を招聘し、研究会を開催することを計画中である。
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