研究課題/領域番号 |
23K00861
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研究機関 | 山梨県立博物館 |
研究代表者 |
海老沼 真治 山梨県立博物館, 山梨県立博物館, 学芸員 (20574156)
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研究分担者 |
中野 賢治 山梨県立博物館, 山梨県立博物館, 学芸員 (10746332)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 戦国大名 / 家臣 / 古文書、家伝文書 / 甲斐、武田氏 / 系譜史料 |
研究実績の概要 |
本研究では、過去に実施した科研費による基礎的研究によって、研究手法・手順を次のように設定している。1.戦国大名家臣研究の基礎史料の整備・充実化を図り、大名家臣団の構造等を追究すること(戦国期の文書を中心とした調査)。2.家臣の近世における動向の分析を通して、中近世移行期武家社会の特質を見出すこと(近世以降の文書・系譜史料を中心とした調査)が主な手法となっている。具体的な作業としては、文書原本の実見調査と撮影によるデータの集積を中心とし、初年度は以下の調査を実施した。 関連資料調査は「市河家文書」等の山梨県立博物館所蔵資料を中心に行い、他に翻刻資料集による資料収集を行ったほか、彦根城博物館、米沢市上杉博物館、静岡市歴史博物館等、関連する博物館での調査・企画展示の視察を行い、基礎的資料・情報の収集をはかった。全体的に、上記手法1の戦国期の文書の調査は豊富に実施することができたものの、手法2の近世以降の資料調査については十分に行うことができなかった。また、当初想定していた所蔵機関への調査が実施できなかったところもあり、これらの点は次年度以降の課題となる。 このほか、県内各所で行った講座・講演の中で、本研究に関連するテーマで実施したものもあり(「天正壬午の乱と徳川家康」(韮崎市中央公民館)、「信玄の死と家臣の動向」(甲府市教育委員会)、「楯無鎧と武田氏」(甲州市教育委員会)、「山本菅助」(昭和町教育委員会)等)、その中で研究成果の一部を還元するとともに、新たな情報の整理を行うことにもつなげることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、古文書所蔵機関を訪問しての実見調査を予定していたが、2023年5月からの新型コロナウイルスの5類移行に伴い、所属における新規業務が増大したことなどの影響により、調査時間を十分に確保することができず、未実施となってしまったものが多かったことが主な原因である。翻刻史料集やデータベースなどを活用した情報収集により、不足分をある程度補うことはできた。
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今後の研究の推進方策 |
所属における業務量については、初年度にくらべてある程度見込みが立てられるので、本研究実施のための時間を確保できる時期に集中的・効率的に調査を行えるよう、調査対象機関との調整を行うこととしたい。 研究計画や手法に変更はないが、分担者・協力者の協力を得ながら、史料調査・分析の量的増大を図ることとしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗状況にも記入したように、予定していた調査のうち未実施となったものがあり、旅費を中心に残額が生じた。この点は次年度以降に分担者・協力者を交えた調査を行うことなどで使用することとしたい。また物品費については、購入を予定していた撮影機材に新機種が発売され、性能や評価を見極めるため、購入を次年度以降に見送ることとした。今年度は既存の機材で対応したが、購入の目途が立ったため、次年度の早期のうちに購入して調査に活用したい。
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