研究課題/領域番号 |
23K00918
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福永 将大 九州大学, 総合研究博物館, 助教 (50847093)
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研究分担者 |
伊藤 泰弘 九州大学, 総合研究博物館, 准教授 (30447354)
古澤 義久 福岡大学, 人文学部, 准教授 (40880711)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 縄文時代 / 九州・韓半島 / 生業 / 貝塚 / 気候変動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、前二千年紀前後に起きた世界的な気候変動(4.3Kaイベント)が、当時の集団の生業活動に与えた影響の実態について明らかにすることである。 当該年度は、上記の研究目的を達成するため、貝塚遺跡の集成作業や九州大学総合研究博物館に所蔵されている貝塚資料の整理作業を行い、基礎的な研究データ収集に努めた。九州大学総合研究博物館所蔵の貝塚出土の貝資料は、その一部に対して放射性炭素年代測定分析を実施しており、九州における貝塚の消長を考える上で重要な絶対年代データを得ることができた。 また、分析対象とする紀元前二千年紀の九州縄文貝塚遺跡やその関連遺跡から出土した考古資料の調査を実施した。韓半島との交流を示す可能性がある資料を発見するなど、当該期の九州・韓半島における文化的・社会的動態の実態解明に資するデータを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
九州大学総合研究博物館に所蔵されている貝塚資料の整理作業はほぼ完了しており、現在、その成果報告をまとめている。一方、下楠田貝塚出土資料の整理・分析作業と、九州・韓半島貝塚データベース作成作業は、当初の計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
九州の貝塚出土資料の調査を引き続き行い、データ収集に努める。北部九州の主要な貝塚遺跡の調査は完了したので、西北部九州(長崎県島嶼部や有明海沿岸域)の調査を進める。 九州・韓半島貝塚データベース作成を早急に進め、貝塚出土の貝類などに関する整理・分析を実施する。 得られた成果についても積極的な公表に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
貝塚データベース作成に伴う学生アルバイト雇用を予定していたが、学生の確保が難航した。そのため、雇用費用として確保していた予算の執行ができなかった。次年度は、雇用学生の確保に努め、整理作業の遅れを取り戻す。
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