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2023 年度 実施状況報告書

接触領域としての南部九州における弥生社会変化の考古学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K00934
研究機関鹿児島大学

研究代表者

石田 智子  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (40624359)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード弥生土器 / 外来系土器 / 土器胎土 / 弥生社会 / 墳墓 / 祭祀儀礼 / 地域間交流
研究実績の概要

多様な文化要素が複雑に交錯する接触領域である南部九州に視座をおき、外部世界からの新たな情報に対する地域社会の反応のありかたを検討することが本研究の目的である。南部九州の弥生社会を日本列島史に位置づけることを目指して、重要遺跡の未報告資料を調査し、南部九州の弥生社会の変化プロセスを提示する。2023年度は、新たな弥生土器編年の構築(課題A)、重要遺跡の未報告資料の調査・報告(課題B)を中心に実施した。
課題Aについては、南部九州における近年の弥生時代遺跡の調査成果に関する情報を収集するとともに、外来系土器等から南部九州への影響が考えられる周辺地域の情報を収集し併行関係を整理した。また、周辺地域から南部九州への影響が考えられる土器以外の文化要素(土製勾玉、墳墓、祭祀儀礼等)についても調査を進めることで、多様な位相での交流のありかたを検討した。
課題Bについては、薩摩半島に所在する弥生時代後期を中心とする松木薗遺跡から出土した未報告資料の調査・整理を実施した。資料を保管している南さつま市教育委員会の協力のもと、出土資料の記録カード作成および写真撮影を実施し、データベースを作成した。現時点で約8割完了している。併行して、過去の調査で作成された遺構図および遺物実測図等の図面類を収集し、図面の複写およびデータ化を行った。今後は報告書作成にむけて、実測図作成、写真撮影、製図等の作業を実施予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

主要な調査対象である松木薗遺跡の資料整理を着実に進めることで、今後の発掘調査や報告書作成にむけての計画を検討できる段階に至った。また、南部九州および周辺地域における調査成果の把握についても滞りなく実施している。当初予定していた研究計画通りに進んでいるため、研究目的を十分に達成していると判断した。

今後の研究の推進方策

松木薗遺跡の出土資料のデータベース作成を完了し、実測図作成や写真撮影、製図などの整理作業に取り組む。併行して、発掘調査の実施にむけて調査計画を策定し、手続きを進める。2024年度以降は土器検討会を開催することで南部九州と周辺地域の関係を検討し、研究者との議論の成果を踏まえて新たな弥生土器編年を構築する予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究開始時点では測量機材の購入を予定していたが、物価上昇の影響で購入が難しくなった。そのため予算計画を再検討し、2023年度は調査図面類のデータ化を優先して実施することにした。繰越額については、次年度の物品費や旅費で使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 大隅半島における弥生時代の横口式土壙墓の系譜2024

    • 著者名/発表者名
      石田智子
    • 雑誌名

      東アジア考古学の新たなる地平(宮本一夫先生退職記念論文集)

      巻: ― ページ: 209-227

  • [雑誌論文] 南部九州における土製勾玉の出現と展開2023

    • 著者名/発表者名
      石田智子
    • 雑誌名

      鹿児島考古

      巻: 52 ページ: 73-87

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評 長友朋子・石川日出志・深澤芳樹編『南関東の弥生文化―東アジアとの交流と農耕化―』2023

    • 著者名/発表者名
      石田智子
    • 雑誌名

      考古学研究

      巻: 70-2 ページ: 84-86

  • [学会発表] 大隅半島における弥生時代の横口式土壙墓の系譜2024

    • 著者名/発表者名
      石田智子
    • 学会等名
      第6回九州弥生研究ネットワーク交流会
  • [学会発表] 弥生時代の土製勾玉からみた地域間関係:南部九州を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      石田智子
    • 学会等名
      2023年度鹿児島県考古学会

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公開日: 2024-12-25  

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