研究課題/領域番号 |
23K01003
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
立見 淳哉 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (50422762)
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研究分担者 |
立見 夏希 (川口夏希) 鳥取大学, 地域学部, 講師 (80647834)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 価値づけ / コンヴァンシオン経済学 / 豊穣化の経済 / 連帯経済 / 地域経済 |
研究実績の概要 |
本研究は、「豊穣化の経済」における新たな価値づけ形態の広がりを背景として、地域への価値づけのあり方と、その過程を通じた、主流の市場経済とは異なる「もう一つの地域経済」の生成可能性を探るものである。「豊穣化の経済」における地域への価値づけにおいて先行すると考えられるフランスの事例と、急速に拡大しつつある日本の事例を比較検討することで、より一般性の高い知見の獲得を目指している。 期間全体を通じて理論的検討と経験的研究をおこなっていくが,今年度に関しては,(1)理論的な検討を重点的に行い研究枠組みの進展を図るとともに,(2)「歴史的資源を活用した観光まちづくり」事業を軸に,社会連帯経済の原理である民主的なガヴァナンスを通じた地域への価値づけをめぐる実態把握,またその可能性と課題等に関する考察を進めた.また,2024年度に実施予定であるフランス・リール調査の準備を進めた。このうち,(1)に関しては,立見が中心となり,理論的な支柱となるコンヴァンシオン理論を方法論的な枠組みとして新しい地域発展論を考察した.具体的には,Springerから刊行されている『Handbook of Economics and Sociology of Conventions』(Diaz-Bone, De Larquier eds.)のregional developmentの章を担当し,その執筆作業を通じて考察を深めた(近刊:受理済み).(2)に関しては,川口と立見が丹波篠山市を中心とする実態把握を進め,成果発表を行なった.川口はルーラル・ジェントリフィケーションの文脈との接続をはかり,立見は連帯経済,産業集積,「歴史的資源を活用した慣行まちづくり」を繋ぐ議論を試論的に行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論的検討は順調に進んでおり,実態把握についても日本の事例を中心に着実に進んでいる.日本では丹波篠山市のアクターを中心に日常的な連携を進めており,豊富な情報が得られている.フランスの事例についても,この1年の活動を通じて,想定しているPTCE(ソーシャルイノベーションのクラスター)や,地域への価値づけを行うALLプロジェクトの責任者・担当者との連携関係も着実に構築できている.
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今後の研究の推進方策 |
計画どおりに進んでおり,フィールド調査を通じた具体的知見を豊富化させる.理論研究の成果と経験的研究を融合し,研究成果につなげていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
円高の影響により計画当初よりも海外調査に費用がかかる事態が生じており,次年度に予定しているフランスでのフィールド調査を実行することを念頭におきながら使用した.繰越分は,フィールド調査関連に充当する予定である.
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