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2023 年度 実施状況報告書

水俣病運動アーカイブズの形成と活用、行為主体性に関する民族誌的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K01027
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

平井 京之介  国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (80290922)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード水俣病 / アーカイブ / 負の遺産 / 博物館 / 社会運動
研究実績の概要

令和5年度は、8月から9月にかけて、および2月の2回に分けて、計2か月間の現地調査を実施し、そのデータを分析することにより研究を推進した。現地調査においては水俣病センター相思社を中心に、水俣病を語り継ぐ会や国立水俣病情報センター等で聞き取りをおこない、水俣病運動アーカイブズ資料の収集年代やその特徴、分量、分類、保存状態など、アーカイブズの全体像を把握する調査をおこなった。そして、本研究の中心的な研究対象である相思社資料室の所蔵資料について、まだ予備的考察段階ではあるが、アーカイブズ記述の作成に関する国際的な基準であるISAD(G)と照合しながら、編成記述を試みた。また、今年度から本格的に始動した、1960年以降に撮影された20万点に及ぶ水俣病関連写真のアーカイブズの編成を目指す「水俣・写真家の眼」プロジェクトについて、活動の進捗状況と今後の活動計画について情報収集した。
11月には、福岡アジア美術館において企画展として開催されていた「福岡水俣展」を見学し、水俣病や水俣病被害者支援運動の表象について関連資料をどのように使用しているかについて調査研究をおこなった。
さらに、研究成果の一部として、これまでの調査データの蓄積を新たに今年度収集したデータで補完することにより、「考証館活動の成功の社会的条件――1990年代の水俣病運動界と相思社」『国立民族学博物館研究報告』48巻2号として3月に発表した。同じく本研究プロジェクトの成果の一部として、国立民族学博物館において、企画展「水俣病を伝える」(2024年3月14日~6月18日)を開催し、一般社会に向けて展示を通した成果発信をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ予定していた期間の現地調査を実施し、相思社資料室におけるアーカイブ資料の収集年代やその特徴、分量、分類、保存状態など、アーカイブズの全体像を把握することができた。また、今年度に発表を計画していた研究論文と企画展を無事完成させることができた。これらのことから、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

ここまでおおむね順調に研究計画が進展しているため、当初の計画通り研究を進める予定である。令和6年度は、水俣病センター相思社で約3か月間の現地調査を実施し、アーカイブ資料がどのように作成され収集されてきたか、資料の内容にどのような特徴があるかを明らかにする。また、国立民族学博物館の共同研究会等において発表をおこない、研究成果を確認する予定である。

次年度使用額が生じた理由

2月に実施予定だった短期の現地調査が、勤務先業務の都合で実施できなかったため、次年度使用額が生じた。来年度、その分の現地調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 考証館活動の成功の社会的条件――1990年代の水俣病運動界と相思社2024

    • 著者名/発表者名
      平井京之介
    • 雑誌名

      国立民族学博物館研究報告

      巻: 48(2) ページ: 139-232

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 人類学的日本研究のための自己分析――水俣病センター相思社と私2024

    • 著者名/発表者名
      平井京之介
    • 学会等名
      民博共同研究「海外フィールド経験のフィードバックによる新たな人類学的日本文化研究の試み」
  • [学会発表] 支援者コミュニティの社会経済学――水俣病センター相思社の50年2023

    • 著者名/発表者名
      平井京之介
    • 学会等名
      アジア研究センター共同研究「アジアにおけるコミュニティの再考」
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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