研究課題/領域番号 |
23K01028
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研究機関 | 徳島県立博物館 |
研究代表者 |
磯本 宏紀 徳島県立博物館, その他部局等, 専門学芸員 (50372230)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 漁民 / 海域ネットワーク / 移動 / 技術伝播 / 文化資源 |
研究実績の概要 |
本研究では、西日本沿海部を中心とした瀬戸内海、紀伊水道、九州北部から展開した漁民らによる海域ネットワークの歴史と変遷の解明を目的とし、その成果にもとづき、展示や教育普及活動を実施することで公表するとともに、同様の目的をもつ機関との連携と情報共有を進展させることを目指している。 令和5年度は、おもに徳島県鳴門市瀬戸町堂浦、兵庫県南あわじ市沼島の漁民の移動及び技術伝播に関する調査を進めた。また、彼らの移動先のひとつであった宮城県、岩手県南部の沿岸域において資料調査を進め、近代期の漁民の移動の把握と資料調査を行った。 堂浦では、漁民の移動の現在の生業に関する聞き取り調査を、沼島では近代漁業史料の調査及び撮影を行った。とくに沼島での調査においては、兵庫県立歴史博物館との共同調査により史料調査及び撮影を進めた。成果の電子化、アーカイブズ化について検討した。これらの調査により、紀伊水道及び瀬戸内海東部で移動しながら漁業を展開した堂浦、沼島という近隣に位置する漁民でありながら、それぞれが異なる、定期的、継続的な移動先を紀伊水道沿岸域の各地に確保していたことがわかってきた。沼島での史料撮影は継続して進め、さらに史料を検討する必要がある。また、堂浦漁民の遠方の移動先である岩手県陸前高田市では、近代期に徳島県鳴門から来訪し、一本釣り技術と漁具を伝播させたことを裏付ける資料を確認した。さらに、東北の太平洋岸での調査を展開する可能性がある。 以上の調査を進めながら、既存のデータをもとに学会発表や招請講演を行った。また、論文により成果の一部を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した調査の一部について実施し、一定の成果を得ている。 次年度以降の調査への展開の見通しが立っていて、さらに同様の調査を展開していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画にもとづき、調査を進めていく予定である。 調査地及び連携先として、次年度は西日本では愛媛県及び大分県の調査地での調査を、東北地方では、引き続き宮城県、岩手県での調査を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
5年度に予定していた調査について、調査先との調整の結果、次年度に実施する方が適切だと判断した。これは、季節的な条件を加味する必要があったためである。
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