• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

障害をめぐる「共生の文化」に関する民族誌的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K01034
研究機関静岡県立大学

研究代表者

奈倉 京子  静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (70555119)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード共生の文化 / 知的障害 / スペシャルオリンピックス / 福祉型カレッジ / 福祉作業所 / 静岡県沼津市
研究実績の概要

初年度の収穫は、関係者と良好な関係を築くことができ、予想以上に関係者のネットワークへ入っていけたことである。ゼミ生を対象とした教育機会にも恵まれ、研究と教育を結合させながら調査研究できた。大きく3つの調査をおこなった。
1つは、静岡県沼津市にある福祉作業所(A型とB型)の訪問と経営者への聞き取りである。利用者の高齢者、地域との連携、納期を守ることが難しいこと等の課題がみえた。
2つめは、「ゆたかカレッジ沼津校」(軽中度の知的障害者が支援学校卒業後、生活字自立訓練と就労訓練をおこなうための4年生の福祉型カレッジ)を訪問し、創設者に立ち上げの経緯などの聞き取りをおこない、支援職員とともに学校を見学しながら利用者の様子について伺った。「ゆたかカレッジ沼津校」とは、2023年10月に、私のゼミ生との交流会も開催し、「共生の文化」を現場レベルでつくるにはどうしたらよいかということについて思考した。
3つめは、知的障害のある人の国際的なスポーツ組織である「スペシャルオリンピックス静岡」の活動を参与観察した。「認定コーチ」の資格を取得し、毎週ボウリングの活動に参加しながら、知的障害のある人とその家族に接して、「共生の文化」を形成させるための方法を模索した。また当組織の家族交流会、県大会、総会などのイベントにも参加し、政治家や企業との連携についても調べた。
また、中華圏の障害認識と民間組織の「共生の文化」形成を考察するために、南京大学教授を招聘して、講演会を開催し、学術交流をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

知的障害者家族のネットワークにうまく参入することができ、ゆたかカレッジの代表者等と出会うことができたため、予想以上に調査が進展し、計画以上の研究成果を出すことができた。

今後の研究の推進方策

初年度は、広く活動に参加することで、1年の流れを把握し、関係者に出会い、関係を構築することに重点を置いた。その成果を踏まえて、今年度は、どのようなテーマを追求していくか、徐々に考察の焦点を絞っていくことを目的としている。具体的には、スペシャルオリンピックスの練習中の人間関係の諸相を人類学の理論的枠組みを参照しながら分析することや、福祉型カレッジの学生との共生について具体的な交流会を開催すること等を通して思考することを予定している。

次年度使用額が生じた理由

概ね計画書通りに進めることができているが、旅費を抑えることができたことと、PC周辺機器の購入を抑えたため、次年度使用額が生じた。次年度は、研究対象の1つであるスペシャルオリンピックスに関して、知的障害者福祉の面で日本と関係の深い台湾の実態を調査し、日本と比較することや、福祉型カレッジの創設者を招へいしたシンポジウム及び研究会を開催すること等で助成金を使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 「新しい社会性」から見る 中国と日本:〈個〉としての強さと輝きを求めて2024

    • 著者名/発表者名
      奈倉京子
    • 雑誌名

      東亜

      巻: 679 ページ: 66 67

  • [雑誌論文] 中国式ソーシャルワークの〈つなぐ力〉:社会的弱者支援の日中比較2023

    • 著者名/発表者名
      奈倉京子
    • 雑誌名

      東亜

      巻: 673 ページ: 66 67

  • [雑誌論文] 台湾におけるスポーツを媒介とした インクルーシブ社会の実現2023

    • 著者名/発表者名
      奈倉京子
    • 雑誌名

      東亜

      巻: 676 ページ: 66 67

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi