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2023 年度 実施状況報告書

マグナ・カルタ再考ー異法文化との接触の観点からー

研究課題

研究課題/領域番号 23K01058
研究機関熊本大学

研究代表者

苑田 亜矢  熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 教授 (80325539)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードマグナ・カルタ / コモン・ロー / 学識法 / 議会制定法 / イギリス旧植民地 / 異法文化
研究実績の概要

本研究の目的は、コモン・ローの基本法といわれることになるマグナ・カルタが、異法文化との接触の中で、如何に形成・解釈され変容したのかを解明し、マグナ・カルタの意義を再考することにある。13世紀のイングンドにおいて国王により発せられ検認されたマグナ・カルタは、その後も繰り返し国王によって確認され、17世紀の内乱前夜に新解釈を施された後、イギリス旧植民地にも継受されたとされる。そこで、本研究においては、マグナ・カルタが、13世紀において古法や学識法の如何なる影響を受けて形成されたのか、14世紀の如何なる政治的社会的状況及び現実の事件の中で、如何なる議会制定法による如何なる解釈によって変容していったのか、そしてイギリス旧植民地でマグナ・カルタと並んで14世紀の議会制定法が如何に解釈され継受されたのかを、具体的に解明することを目指す。この目的を果たすため、今年度に実施した研究の成果は、以下の通りである。
まず、マグナ・カルタ研究の新研究動向も踏まえて、マグナ・カルタに対する古法や学識法及び14世紀の議会制定法の影響に関する研究史を整理し直して、研究史上の論点を抽出することができた。
次に、本研究についての研究会を開催し、マグナ・カルタ研究の現状についての報告とイギリス旧植民地のオーストラリアにおけるマグナ・カルタに関する報告とに基づいて議論を行うことができた。
以上のことにより、マグナ・カルタ研究史を踏まえるとともに、オーストリアにおけるマグナ・カルタの研究状況及び写本や関連文献の所蔵状況等について把握することができ、来年度以降のイギリス及びオーストラリアにおける史料調査のための準備計画を進めることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究会を開催し、マグナ・カルタ研究の現状についての報告とイギリス旧植民地のオーストラリアにおけるマグナ・カルタに関する報告とに基づいて議論を行うことができたものの、イギリス又はオーストラリアでの史料調査ができなかったため。

今後の研究の推進方策

今後は、研究史を踏まえ、マグナ・カルタの各版について現存する写本の中で分析対象を絞り込み、マグナ・カルタの各版の現存する写本に対する具体的調査により、各版の法文の相違点を整理し直し、それらに対して古法や学識法が如何なる影響を与えたのかを解明することに着手する。
また、イギリス旧植民地のオーストラリアにおいて継受されたマグナ・カルタの二つの条文及び14世紀の議会制定法の継受の経緯やそれらの解釈をオーストラリア史の専門家から助言を得ながら検討することにも着手する。

次年度使用額が生じた理由

研究会を開催し、マグナ・カルタ研究の現状についての報告とイギリス旧植民地のオーストラリアにおけるマグナ・カルタに関する報告とに基づいて議論を行うことができたものの、イギリス又はオーストラリアでの史料調査ができなかったため。

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公開日: 2024-12-25  

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