研究課題/領域番号 |
23K01121
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
竹内 明里 崇城大学, 総合教育センター, 准教授 (10894107)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 国際法 / 海洋法 / 大陸棚 / 共同開発 / 紛争解決 |
研究実績の概要 |
本研究は、係争水域における大陸棚の鉱物資源に関する二国間共同開発協定(以下、共同開発協定)について、まず研究の基盤として、事例の収集を行った他、海域設定方法、利益の配分、共同開発制度実施機関などの共同開発に関する要素の抽出・整理を集中的に行った。 また、関連して、以下の検討を行った。 ・東シナ海と同様に複数の沿岸国で囲まれた閉鎖海であり、また領有権主張のある島を抱える東地中海について、東シナ海と比較しつつ、トルコの立場を中心に、沿岸国の管轄権主張や境界画定協定の締結、共同開発導入の動向を検討した。成果は「東地中海における海洋境界画定紛争」『島嶼研究ジャーナル』13巻(2023.11)にまとめたが、そのなかでは、一般には同じ衡平原則派と扱われているトルコと中国の立場の相違、ティモール海調停やレバノン・イスラエル間境界画定合意締結に導いた米国の仲介等を踏まえ、非司法手続き利用による共同開発制度の導入などの検討も行った。 ・東シナ海に関して、日韓大陸棚南部協定及び東シナ海における日中間了解の締結経緯や各国の管轄権主張、共同開発合意の紛争予防機能と限界を整理した。また、広く社会に問題提起をするために、海洋に関心のある一般市民向けのニュースレターにおいて、解説を発表した。(「海洋における共同開発を巡る国際法制度と日本への示唆」『Ocean Newsletter』569号(2024.4))
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画で予定していた作業について、ほぼ計画どおりに行った。 2023年度は「共同開発協定の事例の収集、諸要素の整理・類型化」を予定していたが、国際海洋法裁判所等での文献調査など共同開発協定事例や関連する文献の収集を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に継続して、共同開発協定の収集、諸要素の整理を行う。そのうえで、諸要素の類型化や、世界的傾向の把握を行い、特定の事情において最適な共同開発制度の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に実施予定であった海外旅費1件について、進捗状況を踏まえて2024年度以降に行った方が効果的であることから、他費用を節約し、相当額を繰り越せるように努めた。繰越額については、2024年度海外旅費に充てたい。
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