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2024 年度 実施状況報告書

意匠のデジタルデータ化と意匠法

研究課題

研究課題/領域番号 23K01214
研究機関大阪大学

研究代表者

青木 大也  大阪大学, 大学院法学研究科, 准教授 (80507799)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード知的財産法 / 意匠法
研究実績の概要

本研究課題は、令和元年改正によって新たに導入された別類型の意匠である画像の意匠との関係も睨みつつ、意匠法はデジタル化やデジタルデータの利活用、すなわち「意匠のデータとしての利用」について意匠権侵害として規制の対象とするべきか、その正当化根拠は何か、更に権利の範囲や制限等、どのような限界が画定されるべきかを検討するものである。
今年度は、本研究課題の2年目であり、また年度後半より実際の立法段階での検討も始まったことから、機を逸することのないよう、昨年度までの研究成果を踏まえ、随時成果を公表しつつ、検討を進めることとした。
具体的には、意匠法改正の必要性の前提として、著作権法、不正競争防止法上の商品形態模倣規制の仮想空間における活用と限界について検討したのち、昨年度積み残していた、画像の意匠に係る現在の運用の危うさについて説明するとともに、それに対する処方箋として、登録要件や権利制限に関するいくつかのアイディアを提示した。これらは次に述べる仮想空間上のオブジェクト保護をめぐる議論にも応用可能なものである。
そして、先述の通り、年度後半より、仮想空間上のオブジェクトに係る意匠保護の余地を検討する意匠制度小委員会が開催されたこともあり、この点に関する知見のフィードバックにも努めた。データそのものの保護と重なるところとそうでないところがあると思われるが、少なくとも当初研究の予定とされていた範囲の相当の部分が立法的解決に委ねられつつある点に留意が必要である。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題の進捗状況としては、当初申請時に予定していた研究予定に沿って、おおむね順調に進捗していると言える。その理由としては、昨年度と同様、日本法、外国法における調査結果の公表、及び、関連するテーマの論文の公表も進んでいることが挙げられる。また、実際に実務に携わっている方々との共著の書籍を上梓できたことも大きい。

今後の研究の推進方策

引き続き、意匠制度小委員会での議論を追いつつ、研究を進める。また、実際に仮想空間でビジネスや活動を行っている方々との意見交換の機会を増やしたい。保護ニーズの絞り込みが必須であるためである。

次年度使用額が生じた理由

オンラインでの研究会出席が可能なケースが多く、またデータベース経由で入手可能な情報が多かったことから、旅費、物品費の使用が控えられた。
次年度は、本研究課題に係る出張を予定しており、また関連する書籍の販売も見込まれることから、相応の出費が想定される。また、審議会の議論の進展によっては、研究期間の延長もあり得ると考える。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 画像の意匠の可能性と限界―仮想空間を念頭に2025

    • 著者名/発表者名
      青木大也
    • 雑誌名

      別冊パテント

      巻: 31 ページ: 179-190

    • DOI

      10.50995/patentsp.78.31_179

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] (判例評釈)AIを発明者とする特許出願の可否―[ダバス]2025

    • 著者名/発表者名
      青木大也
    • 雑誌名

      別冊NBL:民事判例研究1(2024年上期)

      巻: 191 ページ: 180-183

  • [雑誌論文] 仮想空間と不正競争防止法上の形態模倣規制―令和5年改正の影響とその課題について2024

    • 著者名/発表者名
      青木大也
    • 雑誌名

      藤本昇先生喜寿記念論文集『最近の知的財産における諸課題』

      巻: 1 ページ: 197-209

  • [雑誌論文] メタバース内でアバターが使用する仮想の物の生成と著作権法2024

    • 著者名/発表者名
      青木大也
    • 雑誌名

      著作権研究

      巻: 49 ページ: 37-44

  • [学会発表] 意匠法の近時の改正と今後2024

    • 著者名/発表者名
      青木大也
    • 学会等名
      関西特許研究会意匠・商標部会
    • 招待講演
  • [学会発表] 仮想空間と現行意匠法 ―改正議論の前提として2024

    • 著者名/発表者名
      青木大也
    • 学会等名
      日本知財学会セッション「仮想空間における創作物の保護のあり方についての考察」
    • 招待講演
  • [学会発表] 仮想空間と知的財産法2024

    • 著者名/発表者名
      青木大也
    • 学会等名
      北海道大学情報法政策学研究センターサマーセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] (判例評釈)AIを発明者とする特許出願の可否2024

    • 著者名/発表者名
      青木大也
    • 学会等名
      現代民事判例研究会
    • 招待講演
  • [図書] バーチャル空間のビジネスと知財法務の教科書2024

    • 著者名/発表者名
      関 真也、青木 大也、久保田 瞬
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      日本法令

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公開日: 2025-12-26  

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