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2023 年度 実施状況報告書

法と神経科学に関する実証実験の予備的・準備的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K01222
研究機関立命館大学

研究代表者

山口 直也  立命館大学, 法務研究科, 教授 (20298392)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード人の主体性・意思決定 / 人の記憶・うその供述 / 依存症の克服 / 神経法学 / fMRI脳画像研究
研究実績の概要

本研究は、①「人の主体性・意思決定」に関する実証実験、具体的には、人の自由意思を否定する「ニューロン決定論」を実証する実験計画の策定を、②「人の記憶・うその供述」に関する実証実験、具体的には、fMRI画像診断による真供述、偽供述、偽記憶に関する実証研究の追試実験計画の策定を、③「依存症の克服」に関する実証実験、具体的には、認知行動療法による依存症離脱プログラムの効用に関する実証研究計画の策定をそれぞれ実施することを目的としている。
1年目の2023年度は、①については「思想・良心の自由」「認知の自由」「意思能力・行為能力」「刑事責任」等、②については「供述の自由」「fMRI脳画像診断による嘘発見(Lie Detection)」「ポリグラフ検査」「記憶に基づく供述」等、③については「薬物依存症と慢性的脳疾患」「薬物依存症受刑者処遇」「認知行動療法」に関する神経法学関連文献及び実証実験研究に関する文献を分析し始めた。
このうち、①については、第23回神経法学研究会(2023年11月4日実施)で「他者を予測する脳」(小池耕彦氏・理研)をテーマに、また、②については、第24回研究会(2023年11月11日実施)で「ポリグラフ検査とは何か-日本の実務と研究の動向」(大杉朱美氏・福山大学)を、第25回研究会(2024年3月5日実施)で「嘘記憶の脳機能イメージング研究」(島根大輔氏・高知工科大学)を、第26回研究会(2024年3月24日実施)で「エピソード記憶研究の最前線」(藤澤茂義氏・理研)をそれぞれテーマに共同研究を行った。
なお、第25回研究会においては、高知工科大学脳コミュニケーションセンターを訪問してfMRI脳画像研究実験施設の見学を行うとともに、fMRI画像研究の観点からポリグラフ検査の信用性を再検討することの可否について、関係者と打ち合わせを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

年度内に4回の研究会を実施するとともに、実証研究に向けた打ち合わせを1回行うことができたので、当初の研究計画通りに概ね進展している。

今後の研究の推進方策

2年目(2024年度)の研究目標は、具体的な実証実験に向けた計画を進展させることである。この点については、すでに1年目(2023年度)に、「人の記憶・うそ供述」に関して高知工科大学を訪問して、その可否を検討して始めているが、本年度(2024年度)は、これを継続するとともに「人の主体性・意思決定」「依存症克服」に関する実証実験の可能性を探るために、玉川大学脳科学研究所、東京都医学総合研究所等を訪問して具体的な検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初予定をしていた神経法学研究会の実施時期が2024年3月にずれ込んだ関係上、研究会開催に伴う費用(講師謝金等)の年度内処理が間に合わなかったことにより、次年度への繰越となった。
2024年度においてこれらの支出を行うとともに、研究会、研究施設訪問の時期をより計画的に管理して、年度内に予算執行ができるように万全を期する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 特定少年に対する保護処分の構造2024

    • 著者名/発表者名
      山口直也
    • 雑誌名

      龍谷法学

      巻: 56巻4号 ページ: 345-373

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公開日: 2024-12-25  

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