研究課題/領域番号 |
23K01311
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山下 拓朗 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 教授 (50928728)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | Information design / Mechanism design |
研究実績の概要 |
本年度は本科研費の初年度ということで、計画に従った研究や備品購入を行った。主な実績は以下の通りである。まずAlex Smolin氏との共同研究として、これまでの成果を``Information Design in Smooth Games''という論文にまとめ、現在査読誌に投稿中である。また、Niccolo Lomys氏との共同研究として、これまでの成果を``A Mediator Approach to Mechanism Design with Limited Commitment''という論文にまとめ、現在査読誌に投稿中である。Joao Correia da Silva氏との共同研究である``Information Design in Repeated Interaction''やKarine Van der Straeten氏との共同研究である``On the veil-of-ignorance principle: welfare-optimal information disclosure in voting''なども現在査読誌に投稿中である。Roberto Sarkisian氏との共同論文である``Optimal student allocation with peer effects''は、査読誌Review of Economic Designに掲載が決定した。またHien Pham氏との共同論文である``Auction with Heterogenous Priors''は、査読誌Games and Economic Behaviorsに掲載が決定した。それら以外の研究についても、計画に従って結果の導出や執筆、セミナー等での報告や査読誌への投稿を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」欄にも書いたように、全体的に予定の通りおおむね順調に研究は進捗している。特に、Roberto Sarkisian氏との共同論文である``Optimal student allocation with peer effects''は、査読誌Review of Economic Designに掲載が決定し、またHien Pham氏との共同論文である``Auction with Heterogenous Priors''は、査読誌Games and Economic Behaviorsに掲載が決定したことは具体的成果である。この他にも、Shuguang Zhu氏との共同論文``Optimal Design of Market Access: An Information-Design Approach''がAmerican Economic Journal: MicroeconomicsにReject&Resubmitの状況にあり、改定要求が厳しいので予断は許さないが、一定の評価を得たとは解釈できる。それ以外の研究についても、計画に従って結果の導出や執筆、セミナー等での報告や査読誌への投稿を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、引き続き、計画に従う形で既存のプロジェクトを継続したい。特に「現在までの進捗状況」で言及したShuguang Zhu氏との共同論文``Optimal Design of Market Access: An Information-Design Approach''については、令和6年度前半の再投稿と、最終的な受理を目指したい。また、室岡健志氏との共同論文``Optimal Trade Mechanisms with Adverse Selection and Inferential Naivety''についても、American Economic Journal: MicroeconomicsにRevise&Resubmitの状況にあり、これも最終的な受理を目指したい。 また、これら既存の研究プロジェクトとは別に、いくつか科研費課題に沿う形で共同研究が行われる可能性があり、すぐに成果を出すことは難しいにしても、科研費期間中に進展させることを目指したい。一例として、香港城址大学の計算機科学博士課程の学生であるJunjie Chen氏とはプラットフォームによる消費者情報の収集と小売業者への価格提案の問題を考えようとしており、情報デザインの重要な応用分野として研究を続けていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は申請者の家庭に子どもが生まれるなどで、当初予定していた海外学会発表等をほぼすべてキャンセルした(代わりに共著者に報告を依頼して対応等)ため、予定額を執行できなかった。また、バイアウトに向けて候補者内定まで進んでいたものが、申請者にコントロールできない要因によって中断となり、予定額を執行できなかった。これらの分を今年度にまわすことで、研究の不連続性を最小限に抑えてプロジェクトを進行させたい。具体的には、関連する共著者との間での研究訪問やRAの採用を予定している。
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