研究課題/領域番号 |
23K01312
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
坂東 桂介 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (50735412)
|
研究分担者 |
河崎 亮 東京工業大学, 工学院, 准教授 (20579619)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
キーワード | マッチング理論 / ゲーム理論 / 安定性 / 多期間マッチング |
研究実績の概要 |
本研究は二つの集団の間のマッチングが複数期間にわたって形成される状況を扱う多期間マッチング問題についての理論分析を行う。例えば、研修医制度において、研修医は研修期間中にいくつかの診療科(内科、外科など)を研修するスーパーローテーション制度が採用されている。他にも、企業がコンサルタントを雇う場合、企業側はいつ誰に依頼するかという意思決定に直面し、コンサルタント側はいつどの企業で働くかという意思決定に直面する。このような状況では、企業とコンサルタントの間のマッチングは期間ごとに変わりうる。本研究では多期間マッチング問題における望ましいマッチングメカニズムを提案することを目的とする。 多期間マッチング問題では各主体は期間ごとにマッチングを形成するため、理論的には各主体が複数のマッチング相手と契約を結べる契約付き多対多マッチング問題と密接な関係がある。そこで、本年度の研究では契約付き多対多マッチング問題における安定割り当ての存在問題について分析を行った。そこで、安定マッチングが存在するための新たな条件を導出している。この成果は、``Substitutes for nonunitary many-to-many matching with contracts ''と題された論文にまとめられており、ワーキングペーパーとしてオンラインで公開している。また、ゲーム理論ワークショップ2024及びRISSワークショップで報告した。また、2024年度に開催される国際学会への投稿も行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
契約付き多対多マッチング問題に関して安定割り当てが存在するための条件を新たに導出し、その成果を論文としてまとめることができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度の得られた結果が、多期間マッチング問題に応用できるかを検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初、参加を予定していた国際学会に論文が受理されなかったため、参加できなかった。今年度開催される国際学会に参加するための旅費として使用する。
|