研究課題/領域番号 |
23K01340
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
蛭川 雅之 龍谷大学, 経済学部, 教授 (10597628)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 接合データの計量経済学 / 2標本回帰推定 / 十分次元削減 / 非対称カーネル関数 / 不連続点推定 / 一様収束速度 / 時系列計量経済学 / 時変パラメータ回帰モデル |
研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究内容は次の通りである。 ①計量経済学・統計学の主要英文査読誌において論文3本を刊行し、また、国内外の学会で5回報告を行った。 ②2標本回帰推定に関し、両標本間に共通に存在する変数が高次元である場合、「次元の呪い」の影響により回帰係数推定量はパラメトリックな収束速度を持ち得ない。そこで、欠落変数の条件付期待値がシングル・インデックス・モデルで表現可能との仮定の下で、十分次元削減の手法を用いて欠落変数の代理変数を計算し、回帰モデルに代入する手法を開発した。現在この推定手法の大標本特性を導出しているところである。 ③所得、保険金支払額等の分布を推定する場合、複数のモデルをある点で接合する手法が広く用いられる。通常この点は分布の右裾に位置する。この点を分布の不連続点とみなし、その位置をガンマ・カーネルを用いて推定する手法を開発した。研究結果をまとめた論文は現在英文査読誌で審査中である。 ④ガンマ・カーネル推定量の一様収束を証明し、同時にその収束速度を導出する文献が皆無であることが分かった。そこで、同カーネル関数を使用した様々なノンパラメトリック推定量に関する一様収束の結果を論文にまとめた。本論文は今後英文査読誌へ投稿する予定である。 ⑤非対称カーネル関数の時系列データへの応用例は少ない。一方、時変パラメータ回帰モデルの定義域には境界が存在するため、非対称カーネル関数の使用により本モデルの推定精度が向上するのではないかと予想される。現在この課題を予測に応用する手法を開発中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績①~⑤は全て当該年度に実施する予定であったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要に則して説明する。まず①に関しては、論文刊行・学会報告ともこれまで通り積極的に行う。次に、②に関し、2標本回帰推定量の大標本特性導出を進め、その結果を速やかに論文にまとめる。また、③に関連して、より安定的な不連続点推定法に関する研究を開始しており、その結果を論文にまとめる。さらに、④に関連し、ベータ・カーネルを用いた密度関数の一次微分推定量に対する一様収束速度を既に導出している。この結果も速やかに論文にまとめる。最後に、⑤に関しては、時変パラメータ回帰モデルを用いた予測についての研究を深化させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会登録料・旅費に当初予定との差が生じた。差額は翌年度の旅費に充当する予定である。
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