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2023 年度 実施状況報告書

農業と工業の同時発展に関するミクロ実証分析:植民地期台湾の研究と日本比較

研究課題

研究課題/領域番号 23K01351
研究機関成蹊大学

研究代表者

清水 政行  成蹊大学, 経済学部, 教授 (60546133)

研究分担者 森脇 祥太  大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (00349200)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
キーワード植民地期台湾 / 工業発展 / 製糖業 / ミクロ実証分析 / 因果効果
研究実績の概要

本研究の中心的な課題(目的)は、植民地期台湾の工業部門を対象にして、工業発展(工業化)に関するミクロ計量経済学的な分析を実施し、個票データ(本研究では工場単位のデータ)を利用したミクロ・レベルからのアプローチによって、(1)工業発展を促した政策介入の因果効果および、(2)工業化を後押しした近代技術・制度の普及効果について、実証的な分析を試みることにある。
本年度は、まず(1)と(2)の実証的なデータ分析を進めていく上で前提(必要)になる、個票(ミクロ・)データに関するより詳細な調査と、データの利用可能性について慎重に検討した。具体的には、(1)の分析において、当時の台湾工業の中心的な産業の一つであった製糖業の個票データ(工場データ)を利用して、生産を補助するための政策的な介入効果や、原料などの輸送を滞りなく行うためのインフラ整備による因果効果などを定量的に分析するために、データの整備(データセットの構築)が可能か否かを検討した。
また、(1)に並行して、(2)の分析についても段階的に着手できるようにし、近代的な技術や制度の普及による影響を定量的に把握するために、植民地期台湾の製糖工場のミクロ・データに基づいた生産関数を推定し、全要素生産性(Total Factor Productivity:TFP)の計測とその要因分析を実施する際に必要なデータも収集しながらもデータセットの作成が同時に可能か否かを検討した。
以上の点について検討を進めた結果、戦前期台湾の製糖業の工場データについては、『台湾糖業統計』より個票データを利用することが可能であり、分析に必要なデータの多くは基本的に、「国立国会図書館デジタルコレクション」や「台湾日治時期統計資料庫」などから利用することができるため、(1)と(2)の研究に求められるデータセットの整備を可能な限り汎用性のある形で迅速に進めていくこととした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究の当初の計画では、植民地期台湾の工業部門を対象にして、工業発展に関するミクロ計量分析を実施するために必要な個票データ(工場単位のデータ)を収集することと同時に、実証分析を行うためのデータセットの整備と構築を進めて、令和5年度中にそれらの作業を完了させることを目指していた。しかし、データの特定やデータの整理(手動による入力を中心としたデータの整理)を行うための準備などに時間がかかってしまっているため、研究計画を後ろ倒しにして、令和6年度も引き続き、汎用性のある形でデータセットを完成させ、ミクロ実証研究につなげられるように準備と分析を同時に進めていくこととした。

今後の研究の推進方策

令和5年度に引き続き、植民地期台湾の製糖業の工場データに基づいて、ミクロ実証分析に取り組むためのデータセットの作成を進め、完成させる。それと同時に、令和6年度においては、データセットが完成したものから、適宜、研究代表者と研究分担者とで協力してデータ分析を進め、推定結果の考察と整理を行いながら、研究論文の作成を開始する予定である。

次年度使用額が生じた理由

上述のように、当初(令和5年度)に計画していた研究の予定よりも遅れが生じているため、購入する必要性の高い文献やデータベースなどの特定がすべて完了せず、次年度(令和6年度)への繰り越しが一部発生した。
令和6年度においても引き続き、植民地期台湾を対象としたミクロ実証分析を実施するため、必要に応じて、研究に利用する専門的な文献や分析に使用するデータベースなどを購入する。また、オンラインで入手(購入)できないデータや資料を直接、調査・収集するための旅費、もしくは研究の進捗状況を確認するために研究者分担者と直接打合わせを行うための旅費に使用する。その他、国際学術雑誌への投稿・発表を行うための準備費用として、英文校正費に充てる。

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公開日: 2024-12-25  

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