研究課題/領域番号 |
23K01435
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
川崎 雄二郎 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50708352)
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研究分担者 |
三木 潤一 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70609966)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 行財政効率化 / 救急車配置 / 観光政策 / コンパクトシティ |
研究実績の概要 |
1年目となる今年度においては、3つの様々な研究テーマについて成果が見られた。 1つ目は、救急サービスの効率化のための救急車(および救急隊)配置問題に関する研究である。これまでに蓄積されていた知見に基づき、救急車が別の事案への対応を終えた直後から(消防署に戻ることなく)新たな事案に出動できるとしたモデルの改良案についてシミュレーションを行い、その結果をオペレーションズリサーチ分野における研究会での講演で発表した。 2つ目は、観光政策での資源配分の最適化を念頭に置いた、一都市での観光客の移動傾向を分析する手法の検討である。この研究では、観光客の移動経路データに対し、一般にヘルムホルツ=ホッジ分解と呼ばれるベクトル解析の手法をグラフ理論に応用したもの(組合せホッジ分解)を適用して観光客全体が各観光地を訪問する順序および各観光地の位置づけ(域内観光の出発地、中継地、終着地など)を明らかにすることができるかを検証した。山形県酒田市における観光アンケートの回答データを用いて中心性指標に基づいた分析結果と比較したところ、おおむね同様の結果が得られたが、各地点からの移動先の違いにより強く影響を受けることが分かった。この成果は応用数理分野の国際会議において発表した。 3つ目は、山形県酒田市における都市機能の集約(コンパクトシティ化)を検討するための実証分析である。都市規模に関係する公共サービス(公共施設、公園、ごみ収集など)の費用を町丁・字ごとに推計し、各サービスにかかる住民1人あたりのコストが市の中心から離れるほど高くなることを示した。この結果をまとめた論文は現在学術雑誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度から3つのテーマについて研究成果が得られ、それらを発表することができている。
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今後の研究の推進方策 |
救急車の最適配置に関する研究については、メタヒューリスティックスの手法を用いた近似解法の検討を進めていく予定である。また、コンパクトシティ化の検討に関しては、住民の公平性に関する議論が必要であると考えている。これらの分析や議論を加速化する方策として、関連分野の専門家と連携して研究を進めていくことを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
データの収集や集計にかかる人件費を計上していたが、今年度においてはデータ収集に費用がかからなかったため、その分の金額が未使用となった。次年度以降のデータ収集および集計にかかる諸費用としてこれを充てたい。
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