研究課題/領域番号 |
23K01501
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
湊 照宏 立教大学, 経済学部, 教授 (00582917)
|
研究分担者 |
平井 健介 甲南大学, 経済学部, 教授 (60439221)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 米国援助 / 化学肥料 |
研究実績の概要 |
本研究の課題は、台湾の政策転換前後(1950年代半ば~1960年代半ば)における資本集約的産業を中心に分析することにより、比較劣位の産業が保護と育成の対象から外れて生じた副作用の国民経済に対する影響を検証することにある。具体的な分析対象産業は化学肥料産業に設定し、供給者(公営企業)のみでなく消費者(農民)も検討対象に加える。 供給者である公営企業の台湾肥料公司は多額の米国援助を受けていたこと、そして、化学肥料の輸入依存度は高かったことから、1950年代末の為替レート低落に注目した。今年度は、①為替レート低落によって増加した米国援助資金借入残高、②為替レート低落によって上昇した物価の転嫁、という論点を中心に関係する資料の収集と整理を実施した。 研究代表者の湊は、2023年8月に台湾で資料調査を実施した。そのうえで、1950-60年代台湾におけるマクロ経済のデータを入力し、化学肥料産業の位置づけを図った。本研究課題の成果の一部として、2024年3月に第2章「台湾経済の構造変化と工業化」を収める田島俊雄・加島潤・湊照宏編著『冷戦期東アジアの経済発展-中国と台湾-』を晃洋書房より刊行した。 研究分担者の平井は、研究課題に関する資料の収集で得た知見を基にして、本研究課題の成果の一部として、2024年1月に岩波書店より刊行された古田和子・太田淳編『アジア経済史(上)』の分担執筆を担当した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学内業務のために資料調査を予定通り実施できなかったが、購入した資料の検討によって研究開始前にはなかった有意義な知見を得ており、研究遂行に大きな問題は発生していない。
|
今後の研究の推進方策 |
研究代表者、研究分担者ともに出張を計画通りに実施できない可能性があるが、その場合は関連資料の購入や、インターネットで閲覧可能な電子化資料の収集を検討する。第2年度以降は予定通り、収集した資料の加工や検討の時間を増加していく。 また、オンライン会議を利用して、研究代表者と研究分担者との連携を維持する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国内および国外での資料調査を予定通りに実施できなかったことなどにより、未使用額が発生した。今年度発生した未使用額は次年度の物品費や旅費などに使用する計画である。
|