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2023 年度 実施状況報告書

移行期のエネルギー供給インフラの維持と開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K01643
研究機関桃山学院大学

研究代表者

小嶌 正稔  桃山学院大学, 経営学部, 教授 (40215257)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード移行期のエネルギー供給 / エネルギーインフラ / チャージングステーション / コンテナ式給油所 / オートマット(無人給油所) / 複合型給油所
研究実績の概要

2023年度は3期に分けて研究を行った。第1期(4月から7月)は、英、独、仏のEVインフラに関する基礎データの分析とノルディックの業態開発の文献調査を、英国とノルウェイを中心に行った。
第2期(8月から9月)は、英国及びノルウェーにおける現地調査と調査結果のまとめを行った。現地調査は、9月16日から9日間の日程で、従来のエネルギー供給拠点、新エネルギー供給拠点、そして新旧の複合業態の3種を対象に行った。従来のエネルギー供給拠点調査の対象はBest社等であり、個店の独自性を維持しながら展開するコオペラティブチェーンのシステムが従来型拠点の存続にとって有用であることが分かった。新エネ及び複合業態としてはCircle K社、新エネルギー供給拠点としてGreen station社を対象とした。特にCircle K社のフラッグシップモデルであるKongsberbの訪問調査は新エネルギー供給拠点が必要とする要素の確認ができ、業態研究の上でも極めて有効であった。
英国では、新エネ拠点としてGridServe社およびShell社EV Fulhamで現地調査を行ないビジネスモデルとしてのEVインフラ(CS)の役割と展開に関して貴重な資料を得ることができた。また英国の最大の独立系(MFG)では、新旧業態の複合型の有用性を確認し、さらに急速に拡散するコンテナ式給油所、オートマットがエネルギー供給拠点維持に重要な役割を果たすことが確認できた。
第3期(10月から3月)は、現地調査のフォローアップ調査とノルディックの統計の整理・検証を行った上で、研究論文を執筆・投稿した。
2023年度の研究における成果は、新エネルギー展開の影響はエネルギー拠点の減少に直接つながるのではなく、閉鎖的な商慣行や業界意識を取り除き、新業態などの新規参入を促すことでエネルギー拠点数を確保できることである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、基礎データ収集、文献調査、英国及びノルディックの現地調査を含めて、ほぼ計画通りに研究を進めることができた。
また移行期のエネルギー拠点および業態開発についての文献調査と基礎データに関しても北欧と英国において収集と分析を行うことができた。
さらにノルウェーにおける移行期における石油流通機構に関する論文をまとめ、学会誌に投稿し採択された。現在は引き続き新エネルギー拠点に関する研究を論文にまとめており、2024年度中に投稿する予定である。以上の通りおおむね順調に進捗している。

今後の研究の推進方策

2024度は、ノルディックの中でも自動車産業等を取り巻く環境が異なるスウェーデンとEUの中で代表的な自動車産業を有するドイツを対象に、移行期のエネルギー供給インフラの維持と開発について調査・研究を行う。
スウエーデンとドイツは共に自動車産業を重要な産業セクターとしているが、両国で行われている政策と成果には大きな違いがあり、両国を対象に研究を行うことで、産業基盤がエネルギー供給拠点に与える影響を比較研究することが可能になる。
またこの調査研究でEV先進国と従来型産業を擁する国との比較を行い、移行期のエネルギー供給インフラに与える影響を含めインフラの維持と開発について考察する。
そして2025度には、米国を対象に現地調査及び文献研究を行い、これらの3つの視点からの、移行期のエネルギー供給インフラの維持と開発について調査研究をまとめる。

次年度使用額が生じた理由

2023年度に英国およびノルウェーにおける海外調査費用を計上していたが、他機関からの費用補助があり、科研費を支出しなかった。
そのため2024年度のドイツ、もしくはスウェーデンにおける供給インフラ調査か、もしくは2025年度に予定している北米の供給拠点調査にて支出する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Securing Supply Outlets During the Energy Transition Period in Norway2024

    • 著者名/発表者名
      Masatoshi Kojima
    • 雑誌名

      Journal of the Japan Petroleum Institute

      巻: 67(3) ページ: 105-110

    • DOI

      10.1627/jpi.67.105

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] デジタル革命と経営者の慣性(inertia) -CASE(モビリティ革命)と経営慣性―2023

    • 著者名/発表者名
      小嶌正稔
    • 学会等名
      日本経営学会関西部会
  • [備考] Journal of the Japan Petroleum Institute

    • URL

      https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jpi/-char/ja

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公開日: 2024-12-25  

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