研究課題/領域番号 |
23K01697
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
宮脇 秀貴 香川大学, 経済学部, 教授 (20294746)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | コロナ禍 / 戦術的ピリオダイゼーション理論 / 簿記教育 / 自主学習 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「戦術的ピリオダイゼーション理論」を簿記・会計教育に導入・実践した、教育・学習効果を高める自主学習を促進させる宿題(の出し方・取り組ませ方)の学習効果を測定し、さらに、新型コロナウイルスの影響が出る前後の授業形態(対面授業・遠隔授業・ハイブリッド授業)でその学習効果を比較・分析することを通して、簿記・会計教育の教育効果の新しい捉え方を提案することにある。 本研究は、3年間の間に、「①過去6~8年間のデータの整理・分析、②有効的な学習方法の導出、③その有効性の検証」を行い、コロナ禍前後の授業形態の違いによる、「戦術的ピリオダイゼーション理論」を導入した自主学習を促進する方法の学習効果を比較し、コロナ禍における簿記・会計教育を捉え直していく。 令和5年度は、これまでの授業(商業簿記入門・工業簿記入門)の小テストと期末テストのデータを、過去9年に遡って整理した。まず、2015年度から2023年度までに行われた商業簿記入門(履修者:平均約150名)と工業簿記入門(履修者:平均約250名)の授業に関する小テストと期末テストのデータを整理した。ただし、対象は1年次の学生のみとした。次に、新型コロナウイルスの影響が出始めた2019年度の後期以降2022年度までを、完全オンライン授業とハイブリッド型授業(学生が隔週で対面授業とオンライン授業を受講)の期間に区別し、比較対象とするデータを選別した。その際、この間の自主学習の方法が大きく2種類あったため、授業(商業簿記入門・工業簿記入門)と授業形態(完全オンライン授業・ハイブリッド型授業)、自主学習の組み合わせを整理して、比較するパターンの場合分けを行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、大学生(特に1年生)をエンパワーメントし、簿記・会計教育を充実させるために、研究代表者が22年間続けている「(ほぼ)毎週、学習した所までの小テストを宿題に課し、結果(得点)と模範解答を貼り出し自主学習を促すことを通して、授業の理解度を深めさせる」という「戦術的ピリオダイゼーション理論」に基づいた自主学習の学習効果を測定するものである。また、新型コロナウイルスの影響で、2019年度後期以降2022年度までは、授業形態が対面から遠隔、そして、ハイブリッド(隔週で対面とオンラインが切り替わる授業形態)に替わったことから、授業形態の違いによる自主学習の学習効果を比較することも大きな狙いとしている。 そこで、まず、2015年度から2023年度までに行われた商業簿記入門(履修者:平均約150名)と工業簿記入門(履修者:平均約250名)の授業に関する小テストと期末テストのデータを整理した。ただし、対象は1年次の学生のみとした。次に、新型コロナウイルスの影響が出始めた2019年度の後期以降2022年度までを、完全オンライン授業とハイブリッド型授業(学生が隔週で対面授業とオンライン授業を受講)の期間に区別し、比較対象とするデータを選別した。その際、この間の自主学習の方法が大きく2種類あったため、授業(商業簿記入門・工業簿記入門)と授業形態(完全オンライン授業・ハイブリッド型授業)、自主学習の組み合わせを整理して、比較するパターンの場合分けを行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、3年間の間に、「①過去6~8年間のデータの整理・分析、②有効的な学習方法の導出、③その有効性の検証」を行い、コロナ禍前後の授業形態の違いによる、「戦術的ピリオダイゼーション理論」を導入した自主学習を促進する方法の学習効果を比較し、コロナ禍における簿記・会計教育を捉え直していく。 令和6年度は、令和5年度(1年目)に整理したデータを用いて、小テストと期末テストの相関分析を行う。また、コロナ禍前後の授業形態別に比較し、分析する。その後、その結果を用いて、コロナ禍に有効な自主学習を促す方法を導く。 まず、前年度に整理した過去9年間のデータを用いて、各年度の商業簿記入門と工業簿記入門に戦術的ピリオダイゼーション理論を導入した自主学習を促す方法の学習効果を、相関分析を用いて測定していく。 次に、上記の測定結果をもとに、比較分析を行い、コロナ禍前後の授業形態別ならびに授業ごとに、有効性の高い自主学習の方法を導き出す。
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