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2023 年度 実施状況報告書

米国におけるエビデンス・ベースの会計政策形成と会計規制の枠組みに変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K01698
研究機関九州大学

研究代表者

大石 桂一  九州大学, 経済学研究院, 教授 (10284605)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード会計規制 / 会計基準設定 / EBPM
研究実績の概要

今年度はまず、本研究の起点となる、1973年の米国財務会計基準審議会(FASB)の創設に焦点をあわせ、その過程を跡づけた。FASBの前身であるアメリカ公認会計士協会(AICPA)の会計原則審議会(APB)は1960年代において数々の重要な会計問題の解決に失敗し、またその内部でもビッグ・エイト会計事務所が対立していた。そうした中で、アメリカ会計学会(AAA)が1971年2月に報告書を公表して新たなコミッションの創設を提案するとともに、会計プロフェッション(AICPA)もその翌年にWheat委員会報告書を公表し、AICPAとは別個の会計基準設定の新たな枠組みを提案した。今年度の研究では、これらの報告書および公聴会の記録をつぶさに検討し、世界初のフルタイムで独立した民間の会計基準設定機関が設立された過程を明らかにした。その成果の一部は、日本会計研究学会特別委員会報告「会計規制および会計基準の事前評価と事後評価に関する研究」第2章に収録されている。
ついで、FASBにおけるEBPMの台頭を検討するうえで前提となる、証券取引委員会(SEC)におけるEBPMの展開を明らかにすべく、2010年のドッド・フランク法の制定まで遡り、2017年までの規則制定の変化を検討した。その結果、(1) 2011年以前よりもSECの規則制定数は減少した、(2) SECは規則案の中でより多くの学術論文を引用するようになった、(3)特に規制のコストを説明する論文をより多く引用するようになった、(4) SECの規則案に対する否定的なコメントレターは減少した、といったことが明らかになった。この研究の成果は、クローズドな研究会で2度報告し、参加者から頂いたコメント等を参考にしながら現在、論文化を進めているところである。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

今年度は本研究を遂行するうえでの前提となる問題を研究し、いわば基礎固めを行ったところであり、ようやく出発点にたどり着いた段階である。また、思ったよりもデュープロセス文書や基本文献の入手に手間取った。くわえて、SECによる気候変動開示規則の提案と制定という、EBPMに関わる大きな出来事が起こったため、その情報の整理と分析に時間を要したことも、本研究の課題を遂行するうえで遅れをもたらした要因である。

今後の研究の推進方策

まずは1973年以降のデュープロセス文書を可能な限り入手することに注力する。ついで、FASBが会計基準設定にあたって事前に公表する基準案等のデュープロセス文書の内容、それに対するコメントレターの反応、および最終基準の内容の変化を、サンプリングをもとに析出する。そのうえで、これらを機械学習の訓練データとして用いて、全文書のトーンを計測するとともに、時系列的な変化が生じたか否かを検証する。
それと並行して、ドッド・フランク法の制定過程や、会計規制における会計検査院(GAO)の役割の変化について、議会文書やGAOの報告書をもとに分析を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 会計規制および会計基準の事前評価と事後評価に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      大日方隆(代表者)
    • 学会等名
      日本会計研究学会

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公開日: 2024-12-25  

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