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2023 年度 実施状況報告書

「アイヌ研究」におけるバイオコロニアリズムの変遷に関する歴史社会学

研究課題

研究課題/領域番号 23K01747
研究機関名古屋大学

研究代表者

東村 岳史  名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (20273211)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード「アイヌ研究」 / バイオコロニアリズム / DNA解析 / 「縄文人」言説
研究実績の概要

東京と札幌でアイヌ民族とバイオコロニアリズムに関連する資料収集を行なった。東京では、国立国会図書館において、自然人類学や考古学分野の研究書や学術雑誌、「縄文人」言説に関わる資料などを、また北海道では北海道立図書館、北海道大学附属図書館、札幌市立中央図書館でアイヌ遺骨や北海道開拓にまつわる植民地主義に関連すると思われる資料を検索し、必要な箇所を複写した。また、同じく東京と札幌で植民地主義や脱植民地主義に関連する展覧会なども見学する機会を得た。加えて、アイヌ民族に関する施策に関連する公文書や参考情報を定期的にチェックし、海外の先住民族に関するバイオコロニアリズムを扱った研究書なども入手しながら、両者を比較参照しつつ日本の事例の位置づけを検討している。成果としては、学術論文2本を執筆した。(「「日本人起源論」における「縄文人」・「アイヌ」言説の特徴と商品価値」『多文化共生研究年報』21号、「バイオコロニアリズムの実践としてのアイヌ遺骨研究」『解放社会学研究』37号)。前者は、1980年代以降の「日本人起源論」における「縄文人」と「アイヌ」の関連を述べた言説から問題となる論理を抽出すると同時に、それが現在でも広範に流通し消費されている証拠として、観光を含む商品化を分析したものである。後者は、アイヌ遺骨の研究資料を目する和人研究者のバイオコロニアリズムの実践を検討したもので、彼らがアイヌ遺骨の研究利用を正当化する言説と、彼らの言説が表象する「人種」イメージの問題、そして社会や他分野の硯友社への影響を扱っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

資料収集調査のための十分な時間が取れなかったため、批判の対象とする研究分野の全体像をまだ描くことができていない。

今後の研究の推進方策

1年目で十分な時間が取れなかった資料収集のための時間を増やしたい。論文の構想はあるので、執筆の時間をできるだけ確保したい。

次年度使用額が生じた理由

校務や私生活上の理由で出張して資料検索をする十分な時間が確保されなかったため。2024年度は改善できると思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 「日本人起源論」における「縄文人」・「アイヌ」言説の特徴と商品価値2024

    • 著者名/発表者名
      東村岳史
    • 雑誌名

      多文化共生研究年報

      巻: 21 ページ: 39-48

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] バイオコロニアリズムの実践としてのアイヌ遺骨研究2024

    • 著者名/発表者名
      東村岳史
    • 雑誌名

      解放社会学研究

      巻: 37 ページ: 50-70

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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