研究課題/領域番号 |
23K01783
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
徳田 剛 大谷大学, 社会学部, 准教授 (60346286)
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研究分担者 |
二階堂 裕子 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (30382005)
魁生 由美子 愛媛大学, 教育学部, 教授 (70331858)
田村 周一 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (50467643)
大黒屋 貴稔 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (00386575)
村岡 則子 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (70615228)
大久保 元正 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (70611854)
梅村 麦生 神戸大学, 人文学研究科, 講師 (70758557)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 多文化共生 / 地方部 / 移民政策 / 外国人 |
研究実績の概要 |
今年度は、これまでの共同研究で継続的に調査を行ってきた中四国を中心とした地方部でのフィールドワークを引き続き実施するとともに、新型コロナウイルス感染症の蔓延が日本の地方部の外国人受け入れに与えた影響やコロナ禍終息後の状況などについてデータ収集と分析を行い、それぞれの所属する主要学会や研究会、講演会等においてこれらの研究成果の発表を行った。中でも、研究チームのメンバーの多くが所属している全国学会である日本社会学会第96回大会(於:立正大学)において、地方の外国人に関する2つの部会で合計4名の研究分担者が発表しており、研究成果のアップデートとアウトプットを積極的に行うことができた意義は大きい。 また、同年10月には徳田剛・二階堂裕子・魁生由美子編著『地方発 多文化共生のしくみづくり』(晃洋書房刊)を上梓した。同書では、第1部において地方に暮らす外国人の生活状況やサポート課題について、第2部では諸外国の外国人受け入れの基本政策の概要と、カナダなどの国で運用されている、人口減少が著しい地方部に一定数の移民を州や受け入れる「地方誘致型移民政策」の事例について、本調査グループのメンバーと現場の調査協力者らで分担執筆をしたものである。同書は、日本の地方部における外国人受け入れとそのルール化の状況、技能実習制度に依拠した形でしか外国人の在留をコントロールすることができない地方部において、地方部への外国人誘致などに関する諸外国の取り組み例などを示したものであり、本研究課題にとって有意義な知見や提言を発信することができた。2024年3月には、2023年度「移住と共生」研究会を開催し、研究代表者および各研究分担者の研究の進捗状況や成果についての発表と次年度の取り組み課題についてそれぞれに発表し、情報と知見の共有を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
日本国内の地方部各地における外国人の受け入れ状況に関する調査研究および地方部での外国人誘致と多文化共生の地域づくりの推進について、各研究分担者の調査対象地(四国・中国・九州・近畿地方など)において、新型コロナウイルス感染症の蔓延時およびその後の状況についての把握と取り組み課題の確認を行っている。それらの調査研究の成果については、研究代表者・研究分担者らの編著による論集の出版、研究代表者・研究分担者の所属する各学会大会や研究会等での研究発表、依頼講演によるレクチャー、学会誌や専門誌等への寄稿を通じて、積極的に行っている。日本の地方部の将来的な人口減少傾向に見合った地方誘導型移民政策の構想に向けた準備作業として、研究代表者を中心とした、カナダ・マニトバ州における移民受け入れに関する政策および各種サポート策に関する調査研究態勢の構築も進んでおり、次の段階における研究推進のための布石を打つこともできている点で、当初の計画以上の推進状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者および各研究分担者の調査対象地における、地方部での外国人受け入れ状況についての調査研究を引き続き推進し、より詳細な情報収集と分析・考察を通じた知見の導出に努めるとともに、本研究グループの主催する「移住と共生」研究会での研究発表、研究代表者および各研究分担者が所属する各学会での学術大会・研究会等での研究発表、学会誌・学術専門誌等への論文の執筆・寄稿、マスメディアへの取材対応・依頼講演等を通じた、本研究を通じて得られた知見の公開・周知等を通じて、研究成果の積極的な公開を遂行する。また、現行の技能実習制度に依拠した形での日本の地方部への外国人受け入れ施策のオルタナティブな受け入れ政策の策定に向けた準備作業としての、カナダの地方部における移民受け入れに関する諸施策およびその運用態勢に関する情報収集や予備調査、二次資料の収集と分析についても、研究代表者を中心に行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者および研究分担者の現地調査等の実施に際し、調査協力者の都合等により年度内に実施できなかった調査予定が生じたため、次年度の繰り越し金が一部発生した。これについては、次年度内にて実施・執行する予定である。
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備考 |
魁生由美子、2023、「書評「山本かほり著『在日朝鮮人を生きる―〈祖国〉〈民族〉そして日本社会の眼差しの中で』」」『社会学評論』(74巻3号)に掲載
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