研究課題/領域番号 |
23K01794
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
速水 聖子 山口大学, 人文学部, 教授 (90271098)
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研究分担者 |
横田 尚俊 山口大学, 人文学部, 教授 (10240194)
益田 仁 中村学園大学, 教育学部, 講師 (20551360)
山下 亜紀子 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (40442438)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 子育て支援 / コミュニティ / 支援ネットワーク |
研究実績の概要 |
本研究は、地域における子育て環境の相違とそれに基づく育児支援ネットワークの地域特性を明らかにし、当該地域における子育て支援団体の活動や子育て支援意識との関連を探ることを目的としている。 R5年度は、これまで各自で行ってきた子育て支援と地域に関わる検討課題を理論的に整理しまとめるとともに、次年度以降の量的調査に向けた準備段階として、都市圏(福岡市)と山口県内3自治体における子育て支援団体の活動や子育て支援施策についての資料収集と聞き取り調査を実施した。それらを分析した結果、育児支援のあり方において地縁的な団体と市民活動的な団体が混在した形で地域の子育てコミュニティの担い手となっていることを確認した。合わせて、人口移動のあり方と子育て環境の評価について統計データや先行研究を整理した。 都市的な地域においては、市民活動的な主体による育児支援が活発である一方、人口の流動性も高く、支援の持続性の課題もあることがわかった。一方で、地方においては地縁的集団を基礎とする地域ぐるみでの子育て支援に興味深い取り組みもあるが、少子高齢化・人口減による担い手不足や次世代への活動の継承といった点において課題を持つことも散見された。これらの知見については、研究メンバー全員によってR5年度内に3回の研究会を開催し、内容の共有を図った。合わせて、支援意識調査に関連する先行研究について整理しつつ、量的調査のための調査項目について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
量的調査へ向けた準備に着手したが、調査地の選定と調査項目の頭出しについてもう少し本年度中に進める予定であったが、思うように進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
子育て支援意識と支援活動への参加度を明らかにするための量的調査の実施に向けて、新年度は調査票の作成と調査地の選定について早めにとりかかりたい。地域比較を予定しているため、複数の地域での調査を検討しているが、インターネットによる調査方法も含めて実施のための調査法の検討も合わせて行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
量的調査の実施に向けて、調査候補地にパイロット的な実地調査を行う予定であったが、調査項目の検討を詳しく進めることができなかったことに合わせて、調査地の比較検討の枠組み自体の検討にも時間がかかったため、実地調査が遅れている。そのため、旅費の未使用が発生していることが次年度利用額が生じた原因である。次年度は、遅れている量的調査の調査票作成に取り掛かり、調査地の選定と調査実施に至るように適宜準備を進めていく予定である。
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