研究課題/領域番号 |
23K01819
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
石田 賢哉 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (50457743)
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研究分担者 |
児玉 寛子 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (50424007)
葛西 孝幸 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (50826873)
福島 真人 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (60530227)
尾崎 麻理 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (70847178)
谷川 涼子 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (90783572)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 医療的ケア児家族 / 心理的負担 / 相談支援体制 / 医療的ケア児コーディネーター / 医療的ケア児支援センター / 縦断調査 / 生活ニーズ |
研究実績の概要 |
医療的ケア児の保護者(以下、家族ら)の医療的ケア児の療育への心理的負担は極めて大きく、家族らのメンタルヘルスの改善は今日、大きな福祉的課題の一つとなっている。2021年度より地域における医療的ケア児の支援体制(以下、新システム)が本格的に開始された。新システムでは、相談援助機能やマネジメント機能を有する医療的ケア児等コーディネーターが各自治体に配置されることで、レスパイトといった家族支援の強化や、地域の社会資源開発が促進され、家族の負担軽減につながることが期待される。本研究においては、医療的ケア児・者の保護者を対象に新システムと家族らの心理的負担との関連に焦点を当てている。 新システムが本当に家族らの生活の質の向上や心理的負担の軽減に資するものかを検証するためには、科学的な手法により客観的に家族らの心理的状態を測定し、制度や政策がどの程度それらのデータに影響するかを実証的に検証する必要がある。2023年度は新システム(主に医療的ケア児支援センターや医療的ケア児等コーディネーターの配置と実行力)が、家族らのメンタルヘルスの改善に資するか実証的に検証することである。全国重症心身障害児者を守る会、青森県重症心身障害児者を守る会、全国医療的ケアライン(i-Line)の協力を得てアンケート調査を実施した。約300名からの協力が得られた。2024年度は具体的な生活の困りごとと福祉サービスのニーズを事例から明らかにするために家族らを対象にインタビュー調査を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第1回目のアンケート調査を実施することができた。データ数が不十分なこともあり調査期間の延長をおこなった。300名程度の協力を得ることができた。 現在、インタビュー調査実施に向けて準備をおこなっている。 第1回目調査の集計、分析を2年目におこない、2024年度中に結果の報告をおこなう予定である。 また、他の子どもの両親(その他の家族)を比較群として、その他の家族と医療的ケア児の家族との心理的負担の特徴を比較し、家族らの特徴を明らかにするために、保育園児の両親を対象に心理的負担、子どもの生活状況、社会資源の利用状況について調査を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
第1回目調査の集計、分析をおこなう。医療的ケア児者の生活状況、医療的ケア児者の家族らの心理的負担、社会資源の活用との関連に焦点を当て分析をおこなう。 第1回目の分析結果を学会発表、学会誌へ投稿を予定している。 2024年度は医療的ケア児者の家族らの生活困難、生活ニーズ、新システムの課題などを具体的にインタビュー調査を通して明らかにしていきたい。 医療的ケア児者の家族らの状況の比較対象として他の子どもの両親(その他の家族)を対象に、心理的負担の特徴を比較し、家族らの特徴を明らかにしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、調査票の返送は個人単位で行うことを予定していたが、各団体の協力を得ることができ、調査票の返送も都道府県ごとの単位で実施ができ、切手代等の郵送費が当初予算より少なく済むことができた。 またインターネット調査も同時におこなったことから年間5万円の使用料がかかるものの、何度も調査を実施することができ、郵送費をおさえることができた。 初年度にインタビュー調査を実施できなかったため、2年目にインタビュー調査を実施する。インタビューにかかる費用として計上する。また、医療的ケア児者の家族らの比較対象として、保育園児の両親に対して心理的負担に関するアンケート調査を2年目に実施する予定である。
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